ookumanekoのブログ

言葉を味わう 文学の楽しみ

読書感想文

漫画買いました

お題「好きなシリーズもの」 主人公のブロガーが、身に覚えのない書き込みをされ、ブログが炎上。弁護士に相談。情報開示請求をし、書き込みをしていた人物を特定、慰謝料を勝ち取るまでの、面白からぬ道のり…。 という話です。 内容は面白かったですよ。笑 …

ジャーナリスト嫌いなのにジャーナリストの本

お題「我が家の本棚」 ようやく順番が回って来た本。 映画が良かったので、図書館で一ヶ月ほど前に予約し、読んでみました。 いつもちょっとか最後まで読んで、良ければ買う。でも今回はどうしようか? てっきり映画の主人公、ファーンが原作者かと思い込ん…

バスカヴィル家の犬(昆虫注意)

お題「好きなシリーズもの」 シャーロック・ホームズの長編物はたった4編しかありません。これはその中の貴重なひとつです。 221b.jp 伝説の魔犬に呪われた一族。ホームズは、最後の相続人の命を救うことが出来るのでしょうか? 〈犯人像考察〉(ネタバレあ…

5月に似合うミステリー『踊る人形』

お題「好きなシリーズもの」 「あれは5月のことでした」 結婚における春。まさに5月はそういう季節ですね。 晴れやかで花が咲き乱れ、翳りなどどこにも見当たらない。新婚時代に似ています。 しかしそれは、光が当たる部分にまどわされ、見えていない部分が…

5月に似合うミステリー

お題「好きなシリーズもの」 ミス・マープル『復讐の女神』 純真無垢な者が殺される、酷い話です。 村一番の切れ者のお婆さんに、謎を解いてもらいましょう。 親ならば、子を持つ喜びとともに苦しみも味わわねばならないことがある。それはどこの国の誰であ…

『死者たちの礼拝』

お題「好きなシリーズもの」 教会の礼拝に出席した人々が、次々と悲惨な死を遂げる。 ドラマ『主任警部モース』 コリン・デクスターの小説『モース警部』は、 オックスフォード大学を中退した パズル好きの元文学青年モース警部が、難事件を解決していく…、 …

バベットの晩餐会

お題「ゆっくり見たい映画」 芸術家は神の意匠の道具である。 映画では分からいところがあったので、原作を読んでみました。 『バベットの晩餐会』イサク・ディーネセン (ちくま文庫) なぜ、牧師の娘フィリッパが、パリで成功を収めたオペラ歌手アシール・パ…

モース刑事『亡霊の夜想曲』

お題「好きなシリーズもの」 冷たい雨の降る寒くて暗い日は、どんなドラマが似合うでしょうか? Endeavour 『Nocturne』 100年前に起きた凄惨な事件。 ショパンの夜想曲にのせて、現代に蘇る呪われた血と殺戮。 イギリスのテレビドラマは本当に素晴らしい! …

映画『ミスター・ホームズ』再考

お題「ゆっくり見たい映画」 起こってほしくない現実。 理想で説かれる世界とは、違う自分の姿。 真実を突き止めることに意味はあるのか? 真実は救いとなるのか? ookumaneko127.hatenablog.com

『オリエント急行殺人事件』今ごろレビュー

お題「ゆっくり見たい映画」 枕が良かった。(まくら:物語の導入部、落語ではこう呼ぶ。物語の本編から受けたインスピレーションで、自由に創作される。ほぼ二次創作。談志は40分間も枕をやった) ジョニー・デップの演技が上手かった。この役で(たぶん線が…

『マクベス』と二次創作

お題「好きなシリーズもの」 闇が極まる冬至から、救世主降誕そして新しい年の幕開けこの一連の季節の流れにふさわしい物語を、 探してみました。『マクベス』はどうでしょうか?〈あらすじ〉戦勝にわく、とある欧州の国。王と家臣たちが祝宴を開いています…

クリスマス・キャロル

お題「好きなシリーズもの」 ディズニー史上最強に怖い映画を貼りましょう。 日本語字幕つき…ではありません。 どっこい、英語でもありません。笑 ので、無料です。 もう誰もが知っているストーリーだと思うのですが、 気になる方はこちらの原作をお読みにな…

彼女が負けた日

お題「ゆっくり見たい映画」 こんな記事を見ました。 www.elle.com この女優さんの言うことはもっともだと思います。映画の世界に、独占禁止法ってのがあったら、米映画界とメリル・ストリープ(M・S)はこれに抵触するんじゃないかとも思いました。 それに…

アガサ・クリスティの描くネメシス(復讐の女神)とは

お題「好きなシリーズもの」 ミス・マープル『復讐の女神』悪を嗅ぎつける非凡な嗅覚と剃刀のように切れる頭脳、そして正義を水のように流れさせる、道義心。探偵を職業にしている訳ではない。地位も名誉も既に興味の対象ではない。ただ報酬として、山鶉を一…

『メグレとパリの通り魔』

お題「好きなシリーズもの」 閉塞的で変化の乏しい職場環境。 単調な仕事、無意味に見える作業。 それでも社会のためになる…かもしれない。 クリスマスのパリ。雨氷が窓を凍らせる。 電話交換台に詰め、黙々と働く三人の男。 夜勤明けはもうすぐだ。 三人の…

病院坂の首縊りの家

お題「ゆっくり見たい映画」 朝晩に、ほんの少し気温の低下を感じられるようになりました。皆さまには、寝冷えなどされておりませんでしょうか? さてこの暑苦しい夏にぴったりの、ホラー仕立てのミステリー映画を観まくっていたわたくしです。 『犬神家の一…

『犬神家の一族』けん族物語 ホラーい〜わ〜

お題「ゆっくり見たい映画」 市川崑監督の『犬神家の一族』(1976年)を観賞しました。若い時分には、わからなかったんですが、日本の文化風俗が美しく表現されていて、とても良かったです。期待していなかったんですが、感銘をうけました。歳ですかね〜。笑…

モース警部『カインの娘たち』

コリン・デクスター モース警部「カインの娘たち」大庭忠男訳 この作家、意外と女が書けるんですね〜。期待してなかったんですが、収穫でした。最近亡くなりましたね。女性を描ける作家は、そういないと思っています。書けていても、好みじゃなかったり。そ…

ディケンジアン

tv.rakuten.co.jp ディケンズの物語の登場人物たちを、縦糸と横糸に配し、新たに紡ぎ出された創作世界。 19世紀の霧の都ロンドンに繰り広げられる、クライムサスペンスドラマ。 今朝は、当地はめずらしく霧が掛かっています。改装して新しくなった赤字病院の…

『ジキル博士とハイド氏』

flicker 『人間は完全かつ本源的に二重性格のものであることを悟った… 自分が相争っている二つの性質のどちらかであると誤りなく言えるとしても、 それはもともとわたしがその二つを兼ね備えているからにすぎない』 ヘンリー・ジキルの陳述書より 原作は言わ…

ありす・いん・わんだーらんど

今週のお題「読書の秋」 女王陛下がよろこんだ まいごの話を知ってるかい? www.alice2019-20.jp

『メアリー・ライリー』

今週のお題「映画鑑賞の秋」 スティーヴンソンの『ジキル博士とハイド氏』の二次創作です。 ビクトリア朝の使用人のひとりの女性(ハウスメイド)。彼女の生い立ち、仕事。 とりわけマスター(ご主人様=ジキル博士)とのプラトニックな関係を書き綴った日記…

デュ・モーリア『東風』

今週のお題「わたしの自由研究」 隔絶した島。 純朴な人々。 簡素な暮らし。 そこに突然の東風。 東風が、アイツらを連れてきた。 欲望がさらけ出す。 肉と肉がダンスする。 ああ、東風が吹き、全てを暴き出し、 発狂させる。 小学生の時に、テレビでヒッチ…

悪魔憑きと呼ばれた少年 ヘルマン・ヘッセ

今週のお題「わたしの自由研究」 プロファイル 貧乏宣教師の家に、次男坊として生を受ける。 北方バルト移民の血筋。 混沌を持って生まれたような、統合性のない性質。 頭が良く、難関校に受かるには受かるのだが、長続きしたためしがない。 神学校から逃げ…

芥川龍之介『地獄変』

夏休みの読書感想文 2(暗黒編) 苦手な方はスルーでお願いします。 写実をその画風とする天才絵師、良秀。 しかし、 その卑しい容貌と傲慢な性格。更には常軌を逸した制作方法で、 皆に疎まれ蔑まれていた。 かたや、日の出の勢い、権力の頂点にいた堀川の…

夏休みの読書感想文

夏目漱石『門』 黎明の真の闇の中で 前期三部作『三四郎』『それから』『門』 読了。 物語は連綿と続く。 『三四郎』 大学入学のために上京した青年。親友や恩師、様々な人に出会い成長していく。 そして愛する女性が出来、想いを告げるが……。ほろ苦い青春物…

ヤーフの生き様

スウィフト『ガリバー旅行記』レビュー。 今週のお題「海」 船乗りのガリバーは、難破してたどり着いた小人の国や巨人国で、 親切にされたり、見世物にされたり、 殺されそうになりながら、 なんとか生き延びて帰国し、 性懲りも無くまた新しい航海に出かけ…

デュ・モーリア『林檎の木』

「こうしてふたりは、心を通いあわせることなく、別々の世界で暮らしていた。……」 どこにでもいる夫婦。 無理解。感謝の不在。倦怠。 それらの悪しき環境下で、習慣化し永遠に続くかに見える生活の儀式。 随分前に、『レベッカ』(ヒッチコックの映画『レベ…

デュ・モーリア『鳥』

突然鳥の大群が人を襲い出す。 ヒッチコックの映画『鳥』が有名ですが、 原作には、映画では触れられていなかった、なぜ鳥が急に狂ったか? その理由が語られています。(務台夏子訳 創元推理文庫) 冒頭、主人公が海鳥を観察するシーン。 主人公はいつも以…

映画『ねじれた家』の家は『家』ではない?

映画を観て、色々分からない所があったので、原作を読んでみました。 アガサ・クリスティ本人が最高傑作と呼んだそうですが?果たして? タイトル『ねじれた家』のねじれ具合。大元の大富豪の生き様。肝心のそこが、映画では詳しく描かれていないように思っ…