病院坂の首縊りの家
朝晩に、ほんの少し気温の低下を感じられるようになりました。
皆さまには、寝冷えなどされておりませんでしょうか?
さてこの暑苦しい夏にぴったりの、
ホラー仕立てのミステリー映画を
観まくっていたわたくしです。
『犬神家の一族』に始まって、
『八つ墓村』
『獄門島』
『悪魔の手毬唄』
『悪魔が来たりて笛を吹く』
そして
『病院坂の首縊りの家』
などなど…。
しかし原作を読んだのは
わずかに二本。
『犬神家の一族』と
『病院坂の首縊りの家』(以下、『病院坂』)
のみです。
わけても『病院坂』は、若い時に読みまして、衝撃を受けたわけです。
その時感じたんですよね。
この作家(横溝正史)は、奇怪な事件を扱ってはいるが、
そこに至る物語を、淀みなく理論的に描くことができると。
そこで映画『病院坂』です。
あれっ?原作と違うじゃありませんか?
一番のエッセンスのところをチョンぎったー?!
〈以下 ネタバレ+R18+気分の悪くなる表現を含みます。自己責任でご覧ください〉
映画では、
首を切断され、病院の廃墟に吊るされた男、敏男と、
無理やり婚礼写真を撮られた大病院の娘、由香利。
二人の死因を、きちんと語っていませんでした。
原作ではこうです。
敏男はしがないバンドマン。
愛する女(小雪)と所帯を持とうにも先立つものがありません。
そこに目をつけた由香利。(邪悪な女)
結婚写真の仕返しに、敏男を金で買ったのでした。
由香利が敏男に要求したのはSMプレイ。
その過程で、由香利は憎い敏男を殺そうとします。
拷問され瀕死の敏男は、腿で由香利の首を絞め、
殺害するに至ります。自身も虫の息の中で、
小雪に自分の首を切り落とすことを命じるのでした。
奇怪でおぞましい事件に隠された真実。
こういう処を端折るから、つまらなくなる。
あくまでわたしの感想ですけどね。笑