櫻間中庸
peaceful-jp-scenery(busy) 厩のねわらを かへたあと 庭に蚊遣火 たきました 弟ねかして 母さんは そつと となりへ 風呂もらひ 宿題してゐる まどのそと 遠くで花火の 消える音 今週のお題「夏休み」 ookumaneko127.hatenablog.com ookumaneko127.hatenablog…
Tamaki Sono 女は ライラツクのにほひを好むと ストローはメロンソーダ水を吸ひあげる 私は女のにほひを吸ひあげる ookumaneko127.hatenablog.com
broterham 金魚は青空を食べてふくらみ 鉢の中で動かなくなる 鳩だか 鉢のガラスにうすい影を走らせる 來たのは花辨(はなびら)か 白い雲の斷片 ookumaneko127.hatenablog.com ookumaneko127.hatenablog.com ookumaneko127.hatenablog.com
sinkdd へちま垂れてる青い窓――ピアノの音(ね)してた青い窓――だれだか知らない住んでゐた――どこだか知らない越してつた――いつも通つてく學校道――へちま搖れてる青い窓――
Igam Ogam ひつそり蝙蝠を待つてた草の葉は夜露にぬれてたそつと高く投げた草履蝙蝠が落ちたやうだぞまがきの向の細い音まがきをつんとのぞいたら酸つぱい花の香が泌みた
4563_pic わびしさのつもれば獨り訪ね來て悲しき海の冬を聞くなり
Naoya Fujii なぎさ打つ波のかけらのほの見えて葉山のはまに日は暮れるらし 櫻間中庸『冬の逗子』 本年中はありがとうございました。 みなさまには良き平安な新年をお迎えください。
あをいタイルの浴槽にひたつてゐる。外は武藏野の風であらうにこの落ちついた心はふるさとを想つてゐる。ぷち――ぷちゆぶねのあちこちに月のやうに浮んでゐる橙の實をそつと下から押へる。兩手の指で押へると種子はあわてゝはねる。いゝ音だ。冬至。ふるさと…
byronv2 賣店の女の顏の明るさはアスフアルト敷くこの街の顏
濱に出て砂にころべは夕さりて 町に歸ればしみじみと、思ひ出ぬるふるさとのこと。 写真 ねこじ 夕燒がまつ赤だ 故郷の臺山の夕やけを思ひ出す。いつもは見えない富士の頂の鋸齒が一つ一つくつきりとまつかな空と眞白な頂との境を見せて何とも云へない莊巖さ…
たたき賣るバナナ屋の聲寒寒と宵のしゞまを破りて流る Adam Cohn