ookumanekoのブログ

言葉を味わう 文学の楽しみ

正岡子規

『刺客蚊公之墓碑銘』正岡子規

K yamada 田舎の蚊々、汝(なんじ)竹藪の奥に生れて、その親も知らず、昼は雪隠(せっちん)にひそみて伏兵となり、夜は臥床(がしょう)をくぐりて刺客となる、咄(と)つ汝の一身は総てこれ罪なり、人の血を吸ふは殺生罪なり、蚊帳の穴をくぐるは偸盗(ち…

正岡子規『寒山落木』

Robert Swier 白雪をつんで小舟の流れけり

『夏目漱石の伊予へ之くを送る』監修 雁来紅

旧新橋駅 原文送夏目漱石之伊予 正岡子規 去矣三千里送君生暮寒空中懸大岳海末起長瀾僻地交遊少狡児教化難清明期再会莫後晩花残書き下し文去(ゆ)けよ三千里君を送れば暮寒(ぼかん)生(しょう)ず空中(くうちゅう)に大岳(たいがく)懸(か)かり海末(…

正岡子規『寒山落木』

何もかもすみて巨燵に年暮るゝ 写真 TANAKA Juuyoh (田中十洋) 本年は当ブログにご訪問下さり、ありがとうございました。 皆様には良き平安な新年をお迎えください。

正岡子規『熊手と提灯』2

Gakuto Ochi Dick Thomas Johonson 二の酉の華やかな賑わいを目にし、急に楽しい気持ちになってきた筆者。 『自分はこの時五つか六つの子供に返りたいような心持がした。 そして母に手を引かれて歩いて居る処でありたかった。 そして両側の提灯に眼を奪われ…

正岡子規『熊手と提灯』

Hiroki Nakamura 『…………熊手持って帰る人が頻(しき)りに目につくから、 どんな奴が熊手なんか買うか試みに人相を鑑定してやろうと思うて居ると、向うから馬鹿に大きな熊手をさしあげて威張ってる奴がやって来た。 職人であろうか、しかし善く分らぬ。月が…

ホトトギスの庭にありて歌詠みをおもふ

鳥が運んだのでしょうね。 わが家の庭の壁には、色々な草花が着床する。江戸時代は、すぐ前の国道まで海が迫り、 この壁は、自然に出来上がった岸壁だった。 そのせいかどうか湿り気があり、湿度を好む植物が繁茂する。夏の間もアジアンタムが壁面を覆い、美…