ookumanekoのブログ

言葉を味わう 文学の楽しみ

小津安二郎

いづこにか夕立ありし冷奴『小津安二郎全日記』

今週のお題「夏休み」 torne 今日までが、二十四節気大暑の末候、 大雨時行(たいうときどきふる)です。 夕立ちがザッと来て、暑さも息苦しさも、持って行ってほしいものです。 もちろん、多くは要りませんけれど…。 昨日(8月6日)投稿しそびれた記事です。

小津安二郎『ここが楢山』

今週のお題「母の日」 母は明治八年生れ。三男二女をもうけて、僕はその二男に当る。他の兄妹は、それぞれ嫁をもらい、嫁にゆき、残った母と僕との生活が始まってもう二十年以上になる。 一人者の僕の処が居心地がいいのか、まだまだ僕から目が放せないのか…

太い魂胆

浮世絵を銅版画でやってやろうという 太い魂胆を汲んでやってください &nbsp 永らく小津安二郎の日記や語録を見ていただき、ありがとうございました。 特に小津映画のファンというわけではなかったのですが…。 日記を見つけた時は小躍りしました。 埋もれた…

雑種犬

君 もっと雑種の犬を可愛がる気持ちになれませんかー趣味性に於いて潔癖なことは結構ですけれどー S.Ken 『小津安二郎全日記』 小津は黒澤の『野良犬』が好きだと言っていた。 https://m.ok.ru/video/21188184684

コンニャクとトウフ屋

映画には文学的要素と絵画的要素と音楽的要素がある。だから映画は芸術であるというような、変哲もない本質論である。いまから思うとつまらぬことを、わざわざ難しく書いているような本だ。このコンニャクは、醤油もしみているし、砂糖もきいているし、唐が…

雨水

torne ぽかぽかと暖かに障子に光が当たってゐる。ぐっすり寝込んで湯に入って新潟に手紙を書いたり明日上京するい云ふ橋下(中学の同窓生)に電報を打ったり山の上の天野屋の土蔵が白く 干鰈(かれい)の味もよく一寸うららかな気になる 小津安二郎全日記

伊豆の春

天城山 naru w 伊豆の春 これは未だまことに浅い 天城には残雪が淡く 修善寺から湯ヶ島 湯ヶ野 下田へとつづく街道には 踊りの子の姿も見えず電柱が風に鳴ってゐる。 『小津安二郎全日記』

Yamashita Yohei 雨はげしく厄日近きを思はす (小津安二郎 全日記)

数年来生きのこりたる池の鯉

GollyGforce この暑さにうく 『小津安二郎 全日記』

『黒飴もひとかたまりの暑さかな』 小津安二郎全日記 「ああ、暑い!汗一升かいた」 母(姑)の口癖です。 一升は約1.8リットル。一日に飲む水の量(約2L)から概算して、 あながち大げさでもないのかな、と思いつつ。 朝三時に起きて窓を開け、四時に起きだし、…

『蓮を描いて泥を識る』

ansel.ma 《泥中の蓮……この泥も現実だ。そして蓮もやはり現実なんです、そして泥は汚いけれど蓮は美しい、だけどこの蓮もやはり根は泥中にある……私はこの場合、泥土と蓮の根を描いて蓮を表す方法もあると思います、しかし逆にいって蓮を描いて泥土と根をしら…

『麦秋』

ヒロインはなぜ、寡(やもめ)のさえない男を選んだか?永遠の謎でしょうか? 紀子は夢見がちな女性。どこか周りと違う次元に生きている。実家暮らし、気のおけない友人、丸の内でタイピストの仕事。不自由はない。周囲が結婚を勧めても、焦るどころか全く本…

『東京物語』小津安二郎

John 五月二十八日午前二時脱稿、一〇三日間、酒一升瓶四十三本。食ってねつのんでねつ、ながめせしまに金雀枝の花のさかり過ぎにけり、ながめせしまに、豆となりぬる、金雀枝の花のいつしか散りにけり

栴檀は花

食膳に鮎あり 微風みどりの梢に渡りて酒旗へんぽん(翩翻) 『小津安二郎全日記』 m-louis

ライスカレー

Bong Grit 朝庄司の風呂に入る ライスカレーを食う別に帰る故里のない東京っ子には何とはなしのこのお上り趣味がよい 『小津安二郎全日記』

『五月五日』

Ville Misaki お節句 たべたくもなく柏もちを一つ水浅黄の空に吹き流し ちまき 鰹 五月はまことによろしい 『小津安二郎全日記』

『旅の空』小津安二郎

旅は青空だ 葉桜の梢に春日は遅々として ちぎれ雲が天城の上にとんでゐる 緩かな山の起伏に何処までも電線はつづいて 牛はゆるりゆるりと歩いている郵便屋は汗を拭いてゐる 床屋には田舎まわりの芝居のびら蓮華畑には水車小屋ーあとは大和田健樹の名文を想ひ…

四月

若芝に日がな雨ふりいたりける ~Izee~by~the~Sea~ 『小津安二郎全日記』

浅春

薫黛(くんたい)のむし歯いためる浅き春 Ben Houdijk 『小津安二郎全日記』 薫黛(くんたい) 良い香りのする眉墨 交友のあった小田原芸妓 森栄のことを詠んだ句、と言われる。

鯛茶漬け

Sotaro OMURA 春風をさらさら茶漬けたうべけり 『小津安二郎全日記』

小田原

Takayuki Miki 小田原の町まち見えて空に凧 『小津安二郎全日記』

春眠

hsohei いくらねてもね足りない 頭の調子も極めて悪い 春は仕事にどうも悪い 『小津安二郎全日記』

タクシー!

gullevek 《深川までいくらで行く》 《十銭位負けたって仕方がないでしょう》下りるとき 《六十銭やらうか》 《下さい》 《十銭位よけい貰ったって仕方がないだらう》 『小津安二郎全日記』

春曇

Tjarko Busink お天気極めてにえ切らず お天道様に暇し油など差し上げたし 『小津安二郎全日記』 ひまし油 https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%81%B2%E3%81%BE%E3%81%97%E6%B2%B9

ひな祭り

なつかしや 雪洞(ぼんぼり)くらき雛の顔 春の夜や 五人囃子の それぞれに 『小津安二郎全日記』 写真はわたしのお雛様です。 この女雛、ちょっとキツそうなしっかり者の面立ち。 いっぽう男雛は、お坊ちゃん育ちのような幼い顔をしています。 意図したわけ…

ぬかるみに

梅が香低う流れけり Mirai Takahashi 『小津安二郎全日記』

余寒

埋火(うずみび)をかきあつめつゝ余寒かな torne 『小津安二郎全日記』

『路線バスより』小津安二郎

工藤隆蔵 東京駅から宵のうちに深川に永代を渡って帰るときいつも侘びしくなるのは何故か 永代の橋梁から見た浅野セメントの外廓 川に向かってたった亜鉛葺の倉庫つづいて町に入ってからの 小さなメリヤス屋 化粧品店 印刷屋 ラヂオ屋 ガレーヂーこんなとき…

『湯治客』小津安二郎

David McKelvey 湯河原投宿二階から玄関につく湯治の客を見る女あり 狐のえり巻きをなす 池忠曰くチェっ! 狸が狐しょってゐやがら 『小津安二郎全日記』 池忠:脚本家 池田忠雄 https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E6%B1%A0%E7%94%B0%E5%BF%A0%E9%9B%84_(%E8…

『小寒』小津安二郎

寒鯉や たらひの中に昼の月 Sarah Horigan 小津安二郎全日記 昭和八年 一月七日