ookumanekoのブログ

言葉を味わう 文学の楽しみ

『旅の空』小津安二郎

旅は青空だ

葉桜の梢に春日は遅々として ちぎれ雲が天城の上にとんでゐる 
緩かな山の起伏に何処までも電線はつづいて 牛はゆるりゆるりと歩いている
郵便屋は汗を拭いてゐる 床屋には田舎まわりの芝居のびら
蓮華畑には水車小屋ー
あとは大和田健樹の名文を想ひ出せば事は足りる
伊豆は湯河原の午下り

 


小津安二郎全日記』



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