夏目漱石
Jiuguang Wang 裕福な友人に誘われ、しぶしぶ出向いた音楽会。 きらびやかな雰囲気、華やかな人々の服装、 どちらも貧しい高柳君には馴染みのないものだ。 「三度目の拍手が、断わりもなくまた起る。 隣りの友達は人一倍けたたましい敲(たた)き方をする。 …
vince42 「近頃は喜劇の面(めん)をどこかへ遺失(おと)してしまった」 「…何だか不景気な顔をしているね。どうかしたかい」 と友人に問われて。 「また新橋の先まで探しに行って、拳突(けんつく)を喰ったんじゃないか。 つまらない」 「新橋どころか、…
夏目漱石『草枕』 今週のお題「わたしと乗り物」 ookumaneko127.hatenablog.com
夏目漱石『門』 黎明の真の闇の中で 前期三部作『三四郎』『それから』『門』 読了。 物語は連綿と続く。 『三四郎』 大学入学のために上京した青年。親友や恩師、様々な人に出会い成長していく。 そして愛する女性が出来、想いを告げるが……。ほろ苦い青春物…
Mark Nye この世界には私と云うものがありまして、 あなた方(がた)と云うものがありまして、 そうして広い空間の中におりまして、 この空間の中で御互に芝居をしまして、 この芝居が時間の経過で推移して、 この推移が因果の法則で纏(まと)められている…
rosemary* 『落ちざまに 虻(あぶ)を伏せたる 椿かな』 夏目漱石 『思い出草』寺田寅彦http://www.aozora.gr.jp/cards/000042/files/2490_11025.html
Ines Njers 『離れればいくら親しくってもそれぎりになる代りに、一所にいさえすれば、たとい敵(かたき)同志でもどうにかこうにかなるものだつまりそれが人間なんだろう』 健三は立派な哲理でも考え出したように首を捻った。洋行後、自分を金持ちだと勘違…
Kunitaka NIIDATE 夜は何時の間にやら全くの冬に変化していた。 細い燈火(ともしび)の影を凝(じっ)と見詰めていると、 灯(ひ)は動かないで風の音だけが烈(はげ)しく雨戸に当った。 ひゅうひゅうと樹木の鳴るなかに、 夫婦は静かな洋燈(あかり)を間…
彼は健全に生きていながら、 この生きているという大丈夫な事実を、 ほとんど奇蹟のごとき僥倖とのみ 自覚し出す事さえある。 (photo by 工藤隆蔵)