ookumanekoのブログ

言葉を味わう 文学の楽しみ

伊東静雄

『夏の嘆き』伊東静雄

Ramon Harkema われは叢(くさむら)に投げぬ、熱き身とたゆき手足を。 されど草いきれは わが体温よりも自足(じそく)し、 わが脈搏(みやくうち)は小川の歌を乱しぬ。 夕暮よさあれ中つ空に はや風のすずしき流れをなしてありしかば、 鵲(かさゝぎ)の…

『いかなれば』伊東静雄

Takashi Hososhima いかなれば今歳(ことし)の盛夏のかがやきのうちにありて、 なほきみが魂に去年(こぞ)の夏の日のひかりのみあざやかなる。 今週のお題「夏休み」 ookumaneko127.hatenablog.com ookumaneko127.hatenablog.com

伊東静雄『秋を探す』

深い山林に退いて 多くの旧い秋らに交つてゐる 今年の秋を 見分けるのに骨が折れる torne