ookumanekoのブログ

言葉を味わう 文学の楽しみ

『夏の嘆き』伊東静雄

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Ramon Harkema
 
 
 
 
 

われは叢(くさむら)に投げぬ、熱き身とたゆき手足を。

されど草いきれ

わが体温よりも自足(じそく)し、

わが脈搏(みやくうち)は小川の歌を乱しぬ。

 

夕暮よさあれ中つ空に

はや風のすずしき流れをなしてありしかば、

鵲(かさゝぎ)の飛翔の道は

ゆるやかにその方角をさだめられたり。

 

 

 



暑さ続きで嘆き節…。