ookumanekoのブログ

言葉を味わう 文学の楽しみ

長崎

長崎 美しき残骸

もし西欧世界に何かを発信できるとすれば、 それは、ただ二つのうちの、もう一つではなく、 この長崎を置いてないだろうと思います。 爆心地を訪れた時、そう確信しました。 浦上天主堂の外壁。 焼け崩れた異国の赤い煉瓦の一つ一つ。 そして天使や聖人たち…

マリアの胎内へ

2011年しめくくり。 無原罪の聖母に捧げられた教会で アヴェ・マリアを聴く。 「おまえにむげんざいのイミがわかるか?」 だれかがそう言った。 ( 12月某日 五島にて ) マリアの無原罪とは 人類は、人類の祖であるアダムとイヴの、神の離反という罪を本性…

五島へ

今年は長崎県五島列島へ、教会群を訪ねて行ってきました。 強風が吹き付ける小さな島々。 平地が少なく、海からすぐに切り立った山が迫る。 断崖を無秩序に繁った植林がおおう。 この西の果ての地に、四十もの教会群があると言うから驚きだ。 それは、長崎で…

長崎 外海 群青の海

その日その海は、 ビロードの生地を敷いたように凪ぎ、 濃く、妥協を知らない、こころざし高き紺色で。 そして、光沢を帯びていた。 隠れキリシタンの里、長崎県長崎市外海(そとめ)町。 丘陵地帯に取り囲まれ、自然に隠されたように点在する小さな漁村。 …

長崎 巡礼の旅

秋は一人旅に出る。 心の旅、巡礼の旅だ。 今年は長崎、外海に行こうと思った。 隠れキリシタンの里だ。 過酷な弾圧にも信念を曲げずに殉教していった信徒たち。 その純粋な信仰心を痛いほど感じた。 信念なき生は既に死なのだと思い知った。 もちろん、長崎…