ookumanekoのブログ

言葉を味わう 文学の楽しみ

いちょうの木

お題「ささやかな幸せ」 MiNOL_000 庭の銀杏の木が、昨日の強風で葉っぱを撒き散らしている。「さあ、早くわたしの髪の毛を片付けておくれ」銀杏の木は半世紀以上、地盤が硬く根を深く張れない、この日当たりの悪い庭に居座っている。「家を守っているのさ」…

結婚は

お題「ささやかな幸せ」 結婚は 「わたしは誠実な人しか興味がありません」 っていう意思表示なんだよ。 Neil Moralee

バス待ち

この木曜日という中途半端な曜日、 午後のこの時間帯、道路は混んでいるんだろうか? たった今、目の前で行ってしまったバスは、あれは前の時間のが遅れて来たのか? それとも、わたしの乗るべきバスが、5分も早く来て行ってしまったのか? ここのバスが時間…

今日を境に

お題「断捨離」 悲しい事故 忌まわしいクレーマー 悲惨な事件 邪悪な闇は身を潜めてほしい 今日のこの至の日を境に tarotize/seven images

お題「わたしの癒やし」 「海に着いたよ」 と起こされると、 周りには殺風景な駐車場と防砂林が見える。 松林の何でもないような一本道を歩き出す。 そのうち、こらえ切れない気持ちが湧き上がってきて、 次第に早足に、終いに走り出してしまう。 足の裏が砂…

日の出は1日に1分遅くなり

お題「リラックス法」 日の入りは1日に1分ずつ早くなる。 天気予報ではそう言っている。 夏至はとうにすぎ 1日に2分だけ、秋に近づいている。 そう思うことにする。 Selvan B ご自愛ください。

台風一過

空に晒した絹の反物 みるみる紅く染まっていく ああ、明日も暑くなる (9月9日 夕方) 皆さまのお住いの地域の、台風の影響は如何だったでしょうか? 9日午前3時に停電で電話機がピーピーと鳴り出し、 起こされました。 午前4時に最大風速、豪雨。恐ろしげな…

月光

今週のお題「夏を振り返る」 Derek Purdy 夏のおわり ゆるやかに 冷えゆく 高揚と熱狂

ちょこれ〜と

〈夏休みのおやつ〉 目が覚めたら 何かとんでもなくワクワクすることが待っている。そんな ティーン・エイジャー特有の 甘くはかない夢をむさぼる君 君のために ママは魔法を使うよ チョコレートの魔法をねただ 目覚めた君の瞳がキラキラ輝くのを みたいのさ…

豆腐一丁に 家族やしなはる 今日いちにちかな

マーボー豆腐 いつもこのレシピです。 www.kyounoryouri.jp 野菜を食べない子どものために、干し椎茸と、クズ野菜を粉砕して、 あるだけ入れました。甜麺醤豆板醤そして、豆チ醤(トーチージャン) この三つの調味料さえ揃えば、腕は関係ない。いつでも美味…

骨と蝶

この時期は空気がかわる。 昔の人たちは、これをなんと表現しただろう。 より乾いて清浄な大気。 生臭いにおいはどこかへ消え去り、 雑音のない不可思議な世界。 旧家の裏山に、木々の陰に隠れるようにお墓が点在する場所がある。 今朝はそこにやたらと蝶が…

昼みる月

photo Yang Chen(TW) マクドナルドから、その少女は出てきた。 白いミニのワンピース、無関心な表情。(……だけど、お腹がいっぱいになればいいの)足元にまとわりつく、栗毛の小さな男の子ふたり。少女はウォルマートの駐車場へと、スタスタと歩く。 男の子…

『金のトマト』宮沢賢治

今週のお題「夏休み」 Mika Kojima 博物館の蜂鳥が教えてくれました。小さな兄妹のお話を。二人の小麦を挽く仕事、キャベジの収穫のお話を。ある年ふたりのトマトの苗が、だんだんと大きくなって、葉からはトマトの青いにおいがし、茎からはこまかな黄金の粒…

うちへ帰ろう

atacamaki 雨だから

ウィンドウ・ショッピング

住宅街の一角に不思議な輸入雑貨店 初夏の眩しさ届かない 涼しげな佇まい 入り口に置かれた寄せ植えポットの花 鬱蒼と生い茂る鉢植えの木々 こんな所に 開いているの閉まっているの 西洋人形 アンティークリネン レースの飾り襟 あれは売り物?それともディ…

ターコイズ

今週のお題「わたしの好きな色」 photo La FruU 小さなターコイズ色のビーズコロリとひとつどこから落っこちた?君のアクセサリー? それともきみの 泪のかけら きのう泣いたね。とてもエゴイスティックな理由でね。ポトリとおちてまた何処かへいなくなった。…

雨の日

ひとみな こうべをたれる 月曜日 bm.iphone

夜は思いのほか清潔であった。いつから夜を避け夜を恐れ嫌っていたのか夜は静寂に満ちて洗い立てのシーツのようであったその清潔な整った織り目には親しみと慰労がこもりわたしの友であった。(救急よりの帰り 午前二時) Alexander Possingham

今日を境と希う暑さよ

Darla Hueske 朝五時。風が強く、空の高い場所に刷毛雲が多く見られました。 巨大な鳥が、戦い破れたのか、あるいは相討ちか?終戦の日の成層圏を 無数の羽毛が覆い尽くしていました。 平成三十年八月十五日記す。

春の嵐

ジェームス 外で風が鳴っているよ。トタン屋根がバタバタ言っているよ。不思議だな。トタンの家なんて、ないのに。昭和の音を連れてきたよ。

『紅葉をちぎらないで!京都のお寺が悲鳴』というニュースを読んで

mashirim マシリム いたづらに なちぎりそ あきのちぎりの くちをしくこそ 〈現代語意訳〉 いたずらにちぎってくれるな。 『秋の契り』は、 残念でガッカリだよ! 秋の契り 男女の愛のさめること。「秋」に「飽き」をかけている。

寒露

Akino Ann フィルターの 猫の毛を摘む 寒露かな

桃の蜜の極まりて葉月晦日かな

sakura_chihaya+ もものみつのきはまりてはづきみそかかな 灼熱の太陽は果物を甘くすると言います。 煮えたぎるような暑さに身体を打ち据えられる夏でしたが、 なぜか自然はそこに飴を用意し、動物たちを幻惑するかの様です。 喜んで惑わされ今年も長く楽し…

はならっか

花落下拾いあつめて詩一行 Masaki Tokutomi

桜と雨

二の足を踏んでいた春ようやくここに来て追いついて来た。生温かい雨と風を伴い、花びらを自在に散らす。しかし桜はまだ咲ききってはおらず、いくらでも散らすがいいと嘯(うそぶ)いた。 tosa muu 土曜日は出掛けたついでに花見をしました。生憎の雨で車の…

夏目漱石『俳句論』

「俳句はレトリック(修辞法)の煎(せん)じ詰めたものである。」 「扇のかなめのような集注点を指摘し描写して、 それから放散する連想の世界を暗示するものである。」 (『夏目漱石先生の追憶』寺田寅彦)漱石が文豪などと呼ばれる以前、熊本高校の英語教…

ookumaneko 風 枕草子

市川猿之助 ちかごろ巷にあるもの 『宙乗りを途中で遮る離縁妻』 中と遮で中車、離縁と梨園をかけました。 『香爐峰の雪は簾をかかげてみる』 『遺愛寺の鐘は枕をそばだてて聴く』 『枕』と言うからには、耳をそばだてて聴きたくなる話でなくてはならない、 …

蜜柑

Tmara Polajnar 爪(つま)立てる橘(たちばな)の果の飛沫(しぶき)かな 気忙しい時節になりました。 ねこじさんが帰り、 毎日家事に追われています。 洗っても洗っても、何だって洗濯物が無くなりません。 しかし、また出掛けるようです。やれやれ。 炊事…

刷毛雲

flickr ひと筆ひいた暁に 広げた絹の薄ごろも 真珠のひかりのスフマート 紗羅紗羅(しゃらしゃら)衣ずれ聞こえたか スフマート=ぼかし技法 ドビュッシー 亜麻色の髪の乙女

母の日によせて

母の髪を愛しげに 何度もなでる 夢を見て とび起きる 忘れていて今日電話しました。 (『母の日おめでとう』ってのもヘンだけど) 「なにか欲しいものは?‥」 「ない!」 家族の平穏無事だけ望む母です。 ‥ ‥ ホントか? (詩は過去記事より) 写真 樹乃