2019-08-12 骨と蝶 ノンフィクション エッセイ 詩 この時期は空気がかわる。 昔の人たちは、これをなんと表現しただろう。 より乾いて清浄な大気。 生臭いにおいはどこかへ消え去り、 雑音のない不可思議な世界。 旧家の裏山に、木々の陰に隠れるようにお墓が点在する場所がある。 今朝はそこにやたらと蝶が舞っていた。 螺鈿細工の模様をつけた小さな創造物。 ちらちらとお墓の上を舞い離れようとしない。 なにかあるようなそぶり。 お墓の中には高温で焼かれた真っ白な骨、あるいはその痕跡。 彼らの好む 甘いにおいでもしているのだろうか? mk*