2016-12-20 夏目漱石『俳句論』 寺田寅彦 詩 「俳句はレトリック(修辞法)の煎(せん)じ詰めたものである。」 「扇のかなめのような集注点を指摘し描写して、 それから放散する連想の世界を暗示するものである。」 (『夏目漱石先生の追憶』寺田寅彦)漱石が文豪などと呼ばれる以前、熊本高校の英語教師だった時代。寺田少年はその教え子の一人でした。少年は都会からやって来た、どうかすると気難しい先生に懐き、新婚家庭に足繁く通い、上等の生菓子などを呼ばれ俳句談議に花を咲かせたといいます。先生も、この田舎の純朴な少年を可愛がりました。彼の作った俳句をわざわざ正岡子規に送り、添削してもらうほどでした。そんな蜜月に、先生から聞き出した俳句論なのでしょうね。 Mika Kojima