ookumanekoのブログ

言葉を味わう 文学の楽しみ

夏目漱石『俳句論』

「俳句はレトリック(修辞法)の煎(せん)じ詰めたものである。」


「扇のかなめのような集注点を指摘し描写して、

それから放散する連想の世界を暗示するものである。」




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(『夏目漱石先生の追憶』寺田寅彦)




漱石が文豪などと呼ばれる以前、熊本高校の英語教師だった時代。
寺田少年はその教え子の一人でした。
少年は都会からやって来た、どうかすると気難しい先生に懐き、
新婚家庭に足繁く通い、上等の生菓子などを呼ばれ俳句談議に花を咲かせたといいます。
先生も、この田舎の純朴な少年を可愛がりました。
彼の作った俳句をわざわざ正岡子規に送り、添削してもらうほどでした。

そんな蜜月に、先生から聞き出した俳句論なのでしょうね。




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Mika Kojima