ookumanekoのブログ

言葉を味わう 文学の楽しみ

デュ・モーリア『東風』

今週のお題「わたしの自由研究」

 

隔絶した島。

純朴な人々。

簡素な暮らし。

 

そこに突然の東風。

東風が、アイツらを連れてきた。

欲望がさらけ出す。

肉と肉がダンスする。

 

ああ、東風が吹き、全てを暴き出し、

発狂させる。

 

 

 

小学生の時に、テレビでヒッチコックの『鳥』を初めて観ました。父の胡座の上で。

 

それから約半世紀。ようやく原作にありつきました。

『東風』は『鳥』と似たシチュエーションですが、

襲い来るのが生き物ではなく、風なのでした。

 

 

両作品とも、庶民の生活描写が秀逸です。

そしてライトなホラー。日常の中の非日常。

狂気。殺意。

そこに至る物語が、淀みなく簡潔に描き出されています。

 

 

 

 

f:id:ookumaneko127:20190907110943j:plain

 

 

 

 

  『東風』の意味は、季節の変わり目に吹く風だそうです。

8月の末ごろから、東風や北東の風が吹くようになりました。

朝はそのおかげで、いくぶん過ごしやすく…。

 

しかしその冷たい風と、暖かい空気が、上空で喧嘩して

甚大な災害をもたらす。

この小説は、まさにその恐ろしい人害を描いているのでしょう。

 

 

 

 

 

 

ookumaneko127.hatenablog.com

 

 

 

ookumaneko127.hatenablog.com