ookumanekoのブログ

言葉を味わう 文学の楽しみ

デュ・モーリア『林檎の木』

「こうしてふたりは、心を通いあわせることなく、別々の世界で暮らしていた。……」
 
どこにでもいる夫婦。
無理解。感謝の不在。倦怠。
それらの悪しき環境下で、習慣化し永遠に続くかに見える生活の儀式。
 
随分前に、『レベッカ』(ヒッチコックの映画『レベッカ』の原作)
を読んだ時には、特に感銘も受けなかったんですが。
この作家、良い物は良いですね。
この他に、『東風』『鳥』が好きです。
 
 
この世界で愛だけが実体のあるもので、
 
それ以外は幻(幽霊)だとしたらどうでしょう。
 
(愛は幻で、それ以外は実体がある。という認識の世界で)
 
愛だけが実体がある。
 
だからこそ実を結ぶのだ。
 
 
 
デュ・モーリア『林檎の木』からの妄想。
(務台夏子 訳)
 
 
 
 

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