デュ・モーリア『林檎の木』
「こうしてふたりは、心を通いあわせることなく、別々の世界で暮らしていた。……」
どこにでもいる夫婦。
無理解。感謝の不在。倦怠。
それらの悪しき環境下で、習慣化し永遠に続くかに見える生活の儀式。
を読んだ時には、特に感銘も受けなかったんですが。
この作家、良い物は良いですね。
この他に、『東風』『鳥』が好きです。
この世界で愛だけが実体のあるもので、
それ以外は幻(幽霊)だとしたらどうでしょう。
(愛は幻で、それ以外は実体がある。という認識の世界で)
愛だけが実体がある。
だからこそ実を結ぶのだ。
デュ・モーリア『林檎の木』からの妄想。
(務台夏子 訳)
Ross G. Strachan Photography