ookumanekoのブログ

言葉を味わう 文学の楽しみ

ねこ裁判 蝉 一

ママはおばあちゃんのことをおっきい猫だと思っている。 『めすねこ』だ。 それには理由がある。 まだワタシが小さい時のこと。 おばあちゃんとママが、ワタシを乳母車に乗せて散歩した。 海沿いの、遊歩道の街路樹の下。 木ごとに、蝉がたわわに実っていて…

ねこ裁判 『めすねこ』

ママは、そういうワケで、 マイペースなおばあちゃんに、心底頭に来ると、 手近な紙袋に顔を突っ込んで 口を絞り、 「ぼぼ、ベブベボバ=======!!!!!!」 と、叫んでいる。 王様の耳はロバの耳、みたいに。 木のウロがないので、 手近なもの、ス…

ねこ裁判『うましか飼い主』 三

オクラちゃんが来て数日後、 台所から、ちょっとエッチな声が聞こえてきた。 「きもちイイでしゅるかア?」 「ここを、こうして欲しいでしゅるかーア?」 「まだ、ヘタでしゅるウ~。」 ばんっ! 部屋の戸を思い切り開けると、 いやらしいアニメしゃべりが消…

ねこ裁判 『うましか飼い主』 二

猫の飼い主さんのことを 『うましか飼い主』 と呼び、 犬派より下に置いていたママ。 もちろん、ママが、そういう残念な印象を私たち猫派に対して持つに至ったのには、深~いワケがある。 一番は、おばあちゃんだ。 「おほほほほほほ、●○さん、今日うちにい…

ねこ裁判 『うましか飼い主』 一

ママは、犬派を自認している。 それで、ナイショだけど、 オクラちゃんを飼うまでは、ずっと、猫の飼い主さんたちのことを 「うましか飼い主」 と、失礼極まりない呼び方をしていた。 犬の飼い主は、マトモだと思っているみたい。 それこそオカシイ、と、批…

ホスト猫ミント 八

オクラちゃんの爪を切りに、姑のうちに行った時のこと 「じぬ=======!!!!帰せ戻せ========!!!!!」 と、暴れまくる、凶暴化したオクラちゃん。 「ギャアああああああああ~~~~~~」 それを捕まえる猫二、 アウトドア用革手袋をし…

ホスト猫ミント 七

「おばあちゃんが、ミントのお股を触るの。」 と、子ども。 「おなかじゃないの?」 「ううん、」 「わっしゃわっしゃお腹を撫でて、ついでに触るの、おまたも!」 「オスがめずらしいのかしらね。」 「ずっと、メスばかりだったから。」 ハズカシいことをし…

ねこ裁判 おすし

おすしに見える? 真っ白な四肢を伸ばして、 オクラちゃんが気持ち良さそうに、くた~っと寝そべっている。 そこへ猫二が入って来た。 絶好のチャンスを見逃さない猫二。 オクラちゃんの足をつまみながら、 「へい、寿司いっちょう!」 すかさず、その手に襲…

ねこ裁判 携帯ショップにて 解決編

『猫の待ち受けだと携帯ショップで、機種変が安くなる』 このような、都市伝説まがいの、 まぎらな文章を先日書き、 各方面に多大なるご迷惑ご心配をおかけし、 大変申し訳ありませんでした。 幸いどなたも本気にしなかったようで安心いたしました。(あたり…

ホスト猫ミント 六  姑と獣医

「で、奥さん、このコの名前は?」 「え~っとね、ニャンちゃん。」(ミントのこと) 「前の猫は、ニャンポコ‥。」 (カルテをチェック。ちゃんと、猫に名前を付けられる飼い主か確認。) 「そう、ニャンポコ!」 「このコは?」 「ニャンちゃん。」 「‥‥」 …

ホスト猫ミント 五

姑の得意ワザ エサてんこ盛り陽動作戦に まんまと引っかかってしまった、 食い意地のはった野良子猫でありました。 ありましたが‥。 かくいう私も、 かつて 姑の、甘っから~い味の煮しめに陽動された一人なのでした

ホスト猫ミント 四

姑は♀猫が好きだ。 「あたし、メスじゃなきゃイヤなの~」 だ、そうだ。 にゃんぽこも、実は雌だし、オクラちゃんも雌だ。 この時点で、子猫の性別は不明だった。 もちろん、容貌の可愛さから言って、雌であろうと思っていたわけだが‥。 捕獲して、さっそく…

ホスト猫ミント 三

うちの姑はとかく器用だ。 料理しかり、 お裁縫しかり それで、警戒心の強い野良子猫をどうやって手なずけたかというと、 これが、 エサてんこ盛り陽動作戦

ホスト猫ミント 二

全くなつかないオクラちゃんを、我が家に払い下げたはいいが、 相変わらずの猫欠状態の姑。 そんな折、近所で子猫が生まれた。 その中の一匹が、どうしたワケだか我が家の庭によたよたとやって来た。 姑がエサをばらまき、それを食べに足しげく来るようにな…

ホスト猫ミント 一

ニャンポコがいなくなってから、 「あたしだめなの~。ネコがいないとダメなの~」 と、気も狂わんばかりの姑。 何がダメなんだか良く分からないが、どうも、ダメらしい。 そこで、良識のある飼い主としては、保護団体など出向いて、 一匹預かってみようかし…

ねこ裁判 携帯電話ショップでの一コマ

(過去に携帯電話なるものと、携帯ショップなるものがありました。 これはそれにまつわるお話です) 「機種変で一番安いのどれ?」 猫二。 「こちらですと、二万なにがし円、またこちらのモデルですと、二万六千なにがし円になります。」 と、携帯ショップの…

『ワタシの名前はオクラちゃん。アタマは良くない。』(文豪風)

「学習能力がないみたい。」 ママが言った。 「いけないって教えたのに、またするの。」 「初めてですって顔なの。」 「ペンギン並みかしらね‥?知能。」 それは、ペンギンに失礼だと思う。 「このコ、ママを知らないみたい。」 だから、それ、一番言っちゃ…

ねこ裁判

この夏、ママはダニにたかられてすごい。 どうも、原因はオクラちゃんを部屋に入れたことにあるようだ。 二の腕、お腹、足 蒸し暑い夜に、ただでさえ痒みは増し、 治っては、喰われ、掻きむしりを繰り返している。 そうかといって、オクラちゃんを怒るわけで…

ねこ裁判 あそび毛

我が家では最近、オクラちゃんの遊び毛が問題になっている。 ほっそ~いヤワヤワの毛が、家の至る所、 びっっーしりと、こびり付いている。 しつこくて取れない。 ママの目がずっと痒いのもそのせいじゃないかと思われる。 家族の迷惑など、どこ吹く風のオク…

「あるがままを愛してほしいじょだよネ~。」

ママは地球にやさしく家族にきびしい。(パパ談) そして、オクラちゃんにはどうかというと、 ベタ甘である。 すでに敷き布団三枚に大ションをしてのけた。 毛布のたぐいには数知れない。 獣医に聞いたところ 「なんだか、してしまうんですよね~。」 と、い…

猫はねこのままで

「同じ動物なのにネ」 「どうしてオクラちゃんはそこにいるの?」 つい口を出た。 不思議そうな顔をして、ワタシを見上げている姿に、 「もののあはれ」を感じた。 「どうして猫はネコのままで、人間だけ人間なの?」 ワタシの疑問はいつも唐突で多岐に渡る…

ねこ裁判

「もっと、犠牲を払いなさい。」 ママがマジな顔で言った。 「百万両払いなさい。」 それっていくらの単位? 「足りない足りない、あんたたちの犠牲は足りない。」 「愛しているならなんでもないはず。」 「愛は犠牲よ。」 ‥‥ ドラマのセリフのようなことを…