ookumanekoのブログ

言葉を味わう 文学の楽しみ

小説『ともに歩めと言われた』

続きの創作小説。(ネタバレあり注意)

あの映画のあの後は
一体どうなったのだろう?
気になりすぎて眠れない。
そうだ、自分で書いてしまえ。


あの時、あの吹雪の中、互いの体温を分け合った兄弟は
そのまま誰にも知られずに、凍死してしまったのだろうか?

さにあらず。
獣医が派遣した羊の捜索隊が二人を発見した。

二人は何日か入院したが
奇跡的に軽い凍傷程度ですんだ。

グミーの羊は?キディの犬はどうなっただろう?

羊は見つからなかった。
嵐の中死んでしまったのだろうか。
それとも何匹かは火山まで行き着き、
野生となって、その種を何世代も引き継いだかもしれない。

犬は一週間後に戻ってきた。
痩せていたが比較的元気に。

そして肝心の兄弟は?
あの二人はその後仲良く暮らしたのだろうか?
遠い昔の子どもの頃のように?

ところが、
二人は以前と何も変わることなく、
また口をきかずに過ごしましたとさ。
 
 
 
 
イメージ 1
エスと洗礼者ヨハネの幼い頃の想像図(二人は兄弟のようだという宗教観から)