小説『ともに歩めと言われた』
『ひつじ村の兄弟』
続きの創作小説。(ネタバレあり注意)
あの映画のあの後は
一体どうなったのだろう?
気になりすぎて眠れない。
そうだ、自分で書いてしまえ。
あの時、あの吹雪の中、互いの体温を分け合った兄弟は
そのまま誰にも知られずに、凍死してしまったのだろうか?
さにあらず。
獣医が派遣した羊の捜索隊が二人を発見した。
二人は何日か入院したが
奇跡的に軽い凍傷程度ですんだ。
グミーの羊は?キディの犬はどうなっただろう?
羊は見つからなかった。
嵐の中死んでしまったのだろうか。
それとも何匹かは火山まで行き着き、
野生となって、その種を何世代も引き継いだかもしれない。
犬は一週間後に戻ってきた。
痩せていたが比較的元気に。
そして肝心の兄弟は?
あの二人はその後仲良く暮らしたのだろうか?
遠い昔の子どもの頃のように?
ところが、
二人は以前と何も変わることなく、
また口をきかずに過ごしましたとさ。