ookumanekoのブログ

言葉を味わう 文学の楽しみ

叔母のお見舞い

「今の看護婦さんはみんなきれい」

「ちゃんと口紅ひいて」

「こっちは寝たっきりのボサボサ頭」

「まったく嫌になっちゃう」

「みなさん良い人?」

「さあね、人柄はわかんない」

叔母はこう言って顔をしかめた。
この叔母は若い頃は吉永何某のような美人だった。
頭も良く地元で一番の学校に行った。
そのまま進学して教員にでもなっていたら、
その後の人生は、ずいぶん違っていただろう。

叔母は一番お祖母ちゃんに似ている。
歳をとってますます似てきた。
でもそれを言うと怒る。





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photo Mika Kojima