母には宿敵がいる
今週のお題「やる気が出ない」
もう二度と、その人物に会うことはないけれど、
今でも、その記憶に悩まされている。
母の母を死なせた、義理の姉だ。
わたしの祖母を虐めて(ドラマっぽく言うと)死に追いやった。
わたしは色々な言葉を使って、母を慰めてきた。
「まあヒドい人が居たもんだね、
そういう人はヒドい死に方をするよ」
「まだ生きてる」
「キツい性格じゃ、きっと友達も居ないだろう」
「腰ぎんちゃくがいる」
「もう忘れな、お母さん」
「忘れられない!どうしてあんな酷いことを?
なぜあんな鬼が居るんだろう?」
「人生には敵がいるよ」
宿敵はどうあっても母を解放する気はないらしく、
平気の平左で長生きしているらしい。
母には尚それが憎くて仕方ないのだ。
最近の母は記憶障害が顕著で、
そのことを大分口にしなくなった。
やれやれだ。
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お母さん…、
「物理学っていう学問があってね、
それと唯一矛盾しない宇宙観をもつのが、仏教なんだってさ」
「まあ、因果応報って言うの?」
「その仏教ではこうも言ってるよ」
「宿敵を救え」
「自分だけが上がるんじゃなくて、憎いあいつも上げる」
その為に、お母さんもわたしもこの地球にいる。
これは母には言ってませんけどね。笑