ookumanekoのブログ

言葉を味わう 文学の楽しみ

父後悔す

お題「#この1年の変化

ホスト猫ミントが亡くなり
悲しみもそこそこに、
後処理に追われていました。


母(シュートメ)はもとの飼い猫(ニャンポコ)が19歳で大往生した時、
猫ロスに陥りました。
そこに降って沸いたように現れたのが、子猫のミントです。

ニャンポコの生まれ変わりだと、ベタ可愛がりしました。

しかし、父(ギフ)は様子が違いました。
もともと動物嫌いでアレルギー持ち。綺麗好き。
自分から猫に触ることも、あえて関心をしめすこともありませんでした。


ところが、
ミントは父の部屋に居るのが好きでした。
追い出されても追い出されても、
父の部屋に寝そべり寛いでいました。

ミイシャが言うには、
「お婆ちゃんは構いすぎ
放っといてくれるお爺ちゃんが好きなんだよ」

「おいら、しつこいオバさんキラいっす」

ホストあるあるでしょうか?

 

 

こうしてつい最近まで、毎日元気に家の中を駆けずり回っていたミント君が、急に倒れました。

家族が交代で病院に運び、歩けないシュートメもみんなで運びました。

ギフも獣医師に症状を説明したりなどしていました。何といっても、ひとつ家に一緒に住んでいたのですから、わたしよりはよほど猫の様子が語れます。

点滴や薬など与え、一旦は良くなったように見えましたが、検査結果が悪く数日後には危篤状態に。

そしていよいよ亡くなった時、

 


ギフがミイシャにポツリと言ったそうです。

 

「オレはあの子に悪いことをした」

 

これには驚きました。

頑なに自分の生き方を守っていたギフ。
不器用で真面目。
企業で0から苦労してトップまで上り詰めた父。
その姿はロボットのようにわたしには見えたものです。
「人を非情に使っていたから、非人間的なんだろうか?」
そして、退職し、何年も経っても、その性格というか、生き様というか、
変わらないんだろうな、
一生、変わりっこないよな、
と思っていました。

まさか猫に対して罪悪感を感じ、それを口にするとは!

 

「人間だったんだ〜!?」

 

 

驚き、嬉しさも覚えました。

 

皆さま、80歳前でも、人って変われるんですね。

それならば、捨てたもんじゃないですね。
まだまだチャンスはあるってことでしょうか?

 

 

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在りし日のミント君