猫が眼鏡
「ねこじさん、サングラス貸して」
数日前、義父に頼まれて大ゴミをゴミ置き場に出して以来、
外用の度付き眼鏡を見ていない。
どうやら、ゴミをまとめている時に、胸ポケットから袋の中にすべり落ちてしまったらしい。
(そして気が付かないまま回収されてしまったらしい。泣)
が、言うと怒るのでねこじさんにはナイショ。
運転はしないし、免許の更新まであと数年あるし、
しかし、光線アレルギーなので外出時は欠かせない。
困った。
ここは取り敢えず、サングラスでゴマカそう。
「いいよ」
以前も物持ちのねこじさんにサングラスを借りた。レイバン、シャネル、カルバン・クライン…etc
「どんなの?」
「オークリー」
「レイバンみたいなの?」
「ちがう」
「レンズは黒?」
「どんなのって…、ほら、猫がよく付けてるやつだよ」
「猫が付けてるやつ、なるほど・・・つけないだろ、猫は」
「…?」
「ねこじさんの世界では、猫がふつうにサングラスしてるの?」
どうもそうらしい。
(ねこじさんはやっぱり四次元の世界の住人に違いない)
四次元世界(パラレルワールド)では、ウサギが時計を持って走っている?