赤毛もの
一発決めてやるぜ
生まれてこのかたパッとしないジンセー
ここらでひとつ
大どんでん返し、
頼まれもしないし
頼みもしない
自分で切り開くのさ
未来ってやつ
ああ、明日になればわたしはスター!
って、
思ったかどうか知らないが、
とりあえず、髪染め失敗したミイシャ。
「やったな」
「やってしまったな、ムスメよ」
だから、やめろと言ったのに。
髪はプロにやってもらわないと、なかなか奇麗にいかないものだよ。
どだい、まるっきりのアジア人顔に、明るい髪色は似合わない。
団子っ鼻ならなお似合わない。
これじゃ赤毛物だよ。
おかしーよ。
普段わたしの小言に耳タコのムスメも、やっちまった感を免れない様子。
すご~く、ありえない髪色。
後悔さきに絶たず。
オーマイガッ!
失敗しすぎて逆に笑える。
だが、五分置きにのぞきに来る母の前で、知らん顔を決め込んでスマホいじり。
そこへ何も知らないねこじさんが帰宅。
ミイシャを一目見て
「あっ、トウモロコシィ!」
みなで大笑い。