ookumanekoのブログ

言葉を味わう 文学の楽しみ

秋を分ける

この日、家族でお墓参り。
父母、夫わたし。ミイシャは学祭。

前日叔母が一足早く墓参し、花を手向けていたので、
母は今回は花を用意せずに、お線香も、ちゃっかり叔母からもらってきた。
ところがそれが束ねてあらず、バラバラだったので、火を点けるだんでひと騒動。

お墓のある場所は高台で、吹きさらし。
風でなかなか着火しない。突然点いたかと思うと、今度は風に煽られて、
思いのほか大きな炎が出てしまった。

「あちっ!」

ねこじさんが線香を芝にばら撒いた。
拾おうとした義父も火傷した。
お線香の匂いと、芝の焦げる臭いが、辺りに漂う。

「いつもこうだ」

「ここではいつも上手く火が点かない」

「束ねてないのがいけない」

「お母さんがケチったせいだ」

義父とねこじさんが、代わる代わる、水桶の中に手を突っ込みながら、
けんけんがくがくやっている側で、わたしは持参した雑巾で墓石を拭く。
ここは祖父母が眠っている。
祖母(姑の母)は、わたしを可愛がってくれた。
そして40数年前、仕事で忙しい娘に代わってねこじさんを育てた人だ。
何とかお線香立てに、体裁良く線香を立て、お参り。

「なむ~」
 
 
 
「風の中でもお線香に火を点ける、何かいい方法があるはず」

帰りしなに義父が、真剣な面持ちで言った。




この後、釣りに行ったねこじさん。いつになく大漁。
      



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おじいちゃんおばあちゃんからのお礼?    



 
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逗子から江ノ島をのぞむ

 


撮影 ねこじ  iphone 4s           2014.9.23