ookumanekoのブログ

言葉を味わう 文学の楽しみ

小説『ワカメとこんぶは結婚できるか』二

「なんとか二人を結ばれるようにしたい。
でも、つまんないドラマの筋立てみたくはしたくないのよ!」

「そんなマジにならずに、気楽にやりなよ。
脚本家じゃないんだから。」

「二人は結ばれない運命なんだっけ?」

「ちがう!結ばれるけど昆布が破滅しちゃうのよ」

「なんでそうなるの?」

「そういう運命なのよ。」

「抗うことのできない、宿命というやつよ。」

「よく分かんない。ワカメはそれでいいワケ?
自分の好い人が破滅するのを黙って見てるの?」

「いいわけない。愛してるのよ!」

「ワカメは結局どうするの?」

「自分が犠牲になることを選ぶのよ。」

「はア~‥そうくる?」

「それまでは、エゴイスティックな愛しか知らなかったワカメが、
初めて、こんぶのために、自分を犠牲にすることを知るのよ。」

「なるほどねえ~へえ~。じゃあ、結局二人は結ばれないの?」

「永遠に結ばれたともいうわね。」