ookumanekoのブログ

言葉を味わう 文学の楽しみ

腰痛 マイケル・ジャクソン 王将

お題「ささやかな幸せ」

 

暮れになって、一人暮らしの老親からSOSの電話があり、
数日おきに、実家に通う日々を送っております。

気丈で、「ちょくちょく来てもらっちゃ困る」
と常々言っていた母が、
自分でケアマネさんを呼んだと言うから驚きました。
初めて腰痛になって、よっぽどのことだったんでしょう。
「後ろ歩きが楽なんだ」と言って、
マイケル・ジャクソンみたいな歩き方をしています。


 

youtu.bemoon walk  3:39ごろ


そういう訳で、
掃除洗濯買い物など、比較的軽めの介助をする日々です。


で、
餃子の王将です。
母の好物。
餃子じゃなくて、ニラレバとか八宝菜などの一品ものです。
その日は、豚キムチ炒めとニラ肉炒めを頼まれました。

母の家まではわが家からちょうど一時間。
全く洗っていない寝具を総とり替えすべく、
ベッドパッド、肌がけ布団などをカートに詰め、
コロコロ引っ張って行ったわけです。

そして頼まれた買い物があります。
この時点で既に、わたしのキャパ的にいっぱいなのですが、
さらに、王将の一品もの。
これらを持ってバスに乗ろうとしたその瞬間、

タ〜ン!

なんと、王将の一品ものが手からすべり落ち、地面に着地してしまいました。
「やった〜!」
思わず叫んでいました。
やると思った。

袋の中で、豚キムチのふたが開き、赤い液体が袋中に飛び散っていて、
相当悲惨なビジュアルです。
バス中にキムチのニオイをプンプンさせ、乗客の皆さんの不審をかいながら、
家へたどり着いたのでした。


しかし驚くことには、

キムチ液は、袋から一滴も漏れていず、

容器の中にほとんど豚もキムチも残っていて、
ふつうに食べられたということです。

これぞ王将の奇跡!

 

 

 

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名もなき連携

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Mitchell Haindfield

 

 

今朝家の前の幹線道路で事故がありまして、

バイク同士の接触事故で。

片方の人は路肩に倒れ、もう片方の人が携帯で救急車を呼んでいるところでした。

一見、そうひどい事故ではなさそうでしたが、
交通量の多い通勤時間のこと、
路肩に倒れたままの人が危険です。

そこへ、どこからともなく現れた通行人数人。
通勤途中のマウンテンバイクのお兄さん、
散歩中の高齢者、
近所の主婦。

一人は幹線道路の真ん中に吹っ飛んだバイクの部品を拾い。

一人は路肩に倒れた人が轢かれないように、後から後から走ってくる車を誘導すべく手信号をし、

もう一人はどこかからパイロンを持ってきて路肩に据えました。


そうこうするうち救急車のサイレンが聞こえてきました。

救急隊員が到着し、一安心。


ふと見ると、
名もなき連携者たちは、それぞれの持ち場へと戻っていった後なのでした。




(今朝の出来事)

 

 

 

 

 

 

fuyu shounan

[http://blog.hatena.ne.jp/-/odai/26006613550729535:title=お題「気分転換」


「海!」

「すごい色してんね」


「何色って言うんだろ?」

「鈍色?」

「にびいろ?」

「この辺の冬、好き」

「ひなびてんじゃん、店も海岸も閑散として」

「いーよー。鄙び感が」

「そお?」

「夏は人多すぎ」

「そーだね」

「冬は海の色がキレイなんだ」

「そーなの?」

「夏はプランクトンとか増えて、そのせいか青緑色っぽくなる」

「密なのね」

「冬は海水が冷たいから、独特の銀色っていうか高貴な感じになる」

「そーなんだ。詳しいね」

「海の生まれだからね」

 

「…イカかよ」

 

 

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Naoji Fujii

 

 

 

クルマからの風景 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『メグレとパリの通り魔』

お題「好きなシリーズもの」

 

 

 

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閉塞的で変化の乏しい職場環境。

単調な仕事、無意味に見える作業。

それでも社会のためになる…かもしれない。


クリスマスのパリ。雨氷が窓を凍らせる。

電話交換台に詰め、黙々と働く三人の男。

夜勤明けはもうすぐだ。


三人の男の一人。

とりわけ地味で、独身のルクールは、今日も仲間に交代を頼まれ、

休憩もそこそこに再び勤務につかねばならない。

点滅する豆電球を見ながら。

閉塞的で変化の乏しい職場環境。

単調な仕事、無意味に見える作業…。

 

しかし、そこに思いもかけない展開が。

 

彼の何気ないいつもの行動が、未解決事件に光を当て、

一躍刻の人になろうとは!


いや〜、良かった。


ジョルジュ・シムノンが、メグレ警視シリーズが大好きになったこの一作。

凍った心が暖かくなる作品です。

 

 

 

 

 

 

『ティファニーと朝食を』ショートフィルム

お題「ゆっくり見たい映画」

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恋人のために、慣れない手つきで朝食をこしらえる

 

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彼女がティファニー

 

 

 

 

トルーマン・カポーティ原作の
ヘンリー・マンシーニの名曲に乗った
オードリー・H主演の、
あっちじゃないですよ〜。笑


『Breakfast with Tiffany
ティファニー朝食を』

ハートウォーミング・ラヴストーリーかと思いきや、
そのあとちょっとした捻りが…。
悲しめな展開、
そして…。

 

 

 

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おばさんは、若い二人を応援したくなりましたねー。

だからいい映画なんでしょう。きっと。

 

ラブストーリーなんぞ、とっくに卒業さっ!
と決めておられる方も(わたしだ)


GYAOのレンタル(165円)で、

ちょっと胸キュンな週末を過ごされては如何でしょうか?

 

 

 

 

gyao.yahoo.co.jp

 

 

 

 

 

 

 

 

病院坂の首縊りの家

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お題「ゆっくり見たい映画」

 

朝晩に、ほんの少し気温の低下を感じられるようになりました。
皆さまには、寝冷えなどされておりませんでしょうか?


さてこの暑苦しい夏にぴったりの、
ホラー仕立てのミステリー映画を
観まくっていたわたくしです。

犬神家の一族』に始まって、
八つ墓村
『獄門島
悪魔の手毬唄
悪魔が来たりて笛を吹く
そして
病院坂の首縊りの家

などなど…。

しかし原作を読んだのは
わずかに二本。

犬神家の一族』と
病院坂の首縊りの家』(以下、『病院坂』)
のみです。

わけても『病院坂』は、若い時に読みまして、衝撃を受けたわけです。
その時感じたんですよね。
この作家(横溝正史)は、奇怪な事件を扱ってはいるが、
そこに至る物語を、淀みなく理論的に描くことができると。

そこで映画『病院坂』です。

あれっ?原作と違うじゃありませんか?
一番のエッセンスのところをチョンぎったー?!

 


〈以下 ネタバレ+R18+気分の悪くなる表現を含みます。自己責任でご覧ください〉

 


映画では、
首を切断され、病院の廃墟に吊るされた男、敏男と、
無理やり婚礼写真を撮られた大病院の娘、由香利。
二人の死因を、きちんと語っていませんでした。

 

原作ではこうです。

敏男はしがないバンドマン。
愛する女(小雪)と所帯を持とうにも先立つものがありません。
そこに目をつけた由香利。(邪悪な女)
結婚写真の仕返しに、敏男を金で買ったのでした。
由香利が敏男に要求したのはSMプレイ。
その過程で、由香利は憎い敏男を殺そうとします。
拷問され瀕死の敏男は、腿で由香利の首を絞め、
殺害するに至ります。自身も虫の息の中で、
小雪に自分の首を切り落とすことを命じるのでした。


奇怪でおぞましい事件に隠された真実。
こういう処を端折るから、つまらなくなる。
あくまでわたしの感想ですけどね。笑

 

 

 

 

 

 

m.pandora.tv

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『犬神家の一族』けん族物語 ホラーい〜わ〜

お題「ゆっくり見たい映画」

 

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市川崑監督の『犬神家の一族』(1976年)を観賞しました。

若い時分には、わからなかったんですが、
日本の文化風俗が美しく表現されていて、とても良かったです。
期待していなかったんですが、感銘をうけました。
歳ですかね〜。笑


さて、話は殺人事件です。

一代で巨万の富を築いた実業家、犬神佐兵衛。
(彼の出自は謎とされます)
その数奇な生と死。
遺産相続によって起こる親族間の欲が絡んだ争い、
そして事件…。

むかし観た時は、そういう印象でした。
今回もそこは同じなんですが、
ひとつ違う発見をしました。


これは眷属(けんぞく)物語ですね。
松子未亡人がこっそりと、
動物の絵のお札を拝むシーンがあります。
犬神佐兵衛は、野良犬のように行き倒れていたところを、

神官に保護されます。どこで生まれどう育ったのか、

一切明かされません。
犬神佐兵衛というのは、いったい何者なんでしょうか?



この話を家人(山登りだった)にしたところ

「そう言えば、山で犬神様を祀っている所ってあるな」



原作を読んだ方には自明の事実でしょうね。

横溝正史は映画では、ホラーな面、センセーショナルな扱いが
強調されますが、
原作は、科学的、民族学的、検証的で好きです。



この夏、読んでみようかなと思います。

夏ですからね。
皆さん、
ホラーですよー。

 

 

 

 

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