ookumanekoのブログ

言葉を味わう 文学の楽しみ

『沙羅の花』芥川龍之介

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また立ちかへる水無月

歎きをたれにかたるべき。

沙羅のみづ枝に花さけば、

かなしき人の目ぞ見ゆる。






 沙羅木(さらのき)は植物園にもあるべし。わが見しは或人の庭なりけり。
玉の如き花のにほへるもとには太湖石(たいこせき)と呼べる石もありしを、
今はた如何になりはてけむ、わが知れる人さへ風のたよりにただありとのみ聞えつつ。





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この歌に歌われたと言われる片山広子