ookumanekoのブログ

言葉を味わう 文学の楽しみ

2017-06-19から1日間の記事一覧

『沙羅の花』芥川龍之介

また立ちかへる水無月の 歎きをたれにかたるべき。 沙羅のみづ枝に花さけば、 かなしき人の目ぞ見ゆる。 沙羅木(さらのき)は植物園にもあるべし。わが見しは或人の庭なりけり。玉の如き花のにほへるもとには太湖石(たいこせき)と呼べる石もありしを、今…