桜レポート
嵐の中、
腹ぺこ家族はなじみの魚市場へ。
評判の海鮮定食にありつこうともくろむが、しかし、痛恨の休業日。
満開の桜が、雨足の強くなり始めた雫を浴びている。
あえなく、取って返す。
途中、せっかくだからこの辺で一番の桜並木へ。
例年この時期、ここには出店が建つ。花見客や宴会客で混雑する。
道路は路駐車で渋滞し、歩道にも人があふれる。
昨年は、二重駐車の車が道路を塞ぎ、車一台分しか車道がなく、
時差式一方通行状態で大渋滞。
運転者がイライラして、警告音を鳴らし続けていた。
ところが今日はこの雨。
恵みの雨。
ひとっこ一人いない並木道に、しばし車を停めて見やる。
満開の桜が、雨足の強くなり始めた雫を浴びている。
しかし昨夜のうちに咲きそろった花びらは、まだ強さがあり、
ひとひらも散ろうとしない。ただ静かに、しなやかに、雨にうたれ揺れている。
これぞ地上の天国。
わたしたちだけの。
その時、姑が言った。
「桜は晴れの日より、曇り空のほうが映える」
この人のこういうところが好きだな……、と思った。
この人のこういうところが好きだな……、と思った。
( 2014.3.30 )