ookumanekoのブログ

言葉を味わう 文学の楽しみ

母への処方箋

イメージ 1
(photo by jenny downing)




ねえ、お母さん、青魚浴びるほど食べなよ。


サバはいいよ~。

お母さんに、五島の鬼サバ食べさせたいよ。

脂がのっていて芳醇、身が柔らかいったら……。

でも手に入るものでいい。塩鯖に大根おろしタップリ。

そうね、鯵でもいいよ。

子どもが小さい時、みんなで馬堀海岸で釣りして、鯵が入れ食い。

その捕れたての鯵を、お姑さんが叩きにして、まな板の上で味噌をからめて、

ひょいと口に入れたっけ。

ああ、ヨダレが出て来た。

刺身鯵を塩焼きにしてってのも贅沢だよね。

もっとラクしたかったら、そうだ、

『シラス!』

あれ、イワシだもの。

シラスだ。簡単、手も汚れない、これからはシーズン。腰越の釜揚げは美味しいよ。

揚げたて新鮮は、まるで蟹だ、カニ

ねえ、お母さん、悪いこと言わないから、
毎日、まいにち、
青魚食べなよね、
ね。




青魚には恐怖の記憶を緩和する作用があるという。


心配症が過ぎ、不安神経症ぎみの実家の母へ。