ookumanekoのブログ

言葉を味わう 文学の楽しみ

香港マニアック熱 其の七[陸羽茶室(ロッユーツァーサッ)つづき]

「おいっ、ワゴン式じゃないぞっ!」

夫のこの一言に凍り付いた。

席に着きさえすれば、

黙っていてもワゴンのおばちゃんたちが、次から次へと群がってきては、

「ほ~ら、美味しそうでしょう。」

「この蒸かしたてのぷりぷりの、ほかほかの‥、」

「遠慮はいらないから、お取りな、お客さん。」

ちやほやともてなしてくれる。

もちろん日本人に、正しくお金を使わせるために。

(事実、私は正しいお金の使い方だと思う。)

私の愛する、お気楽きわまりないワゴン式飲茶(ヤムツァー)。

じゃなくって、

オーダー式?!

「あれっ?‥誰も来ない。」

捨て置かれ、お預け状態の私たち。

周りには、さくさく働く、こ慣れた店員。

腹ぺこ家族の運命やいかに。