ookumanekoのブログ

言葉を味わう 文学の楽しみ

奥さまは魔女

 

イメージ 1
 

 
 

結婚して一年目の春。わが世の春。


世間的には新婚さんなどという、パステル調のうわついた言葉を使う。
結婚前、結婚式に関わる雑多なことども。新婚旅行。
はるか昔、わたしにもそんな時があった。

しかし、わが世の春もこの日まで。
わい雑さにまみれた毎日が唐突に始まる。
苦手な家事に明け暮れる日々。
付き合いたくなくても付き合わなくてはならない、近所の海千山千。
甘やかされ依頼心のかたまりのわが子。どうしていいのか分からないダメ母。
育児地獄に埋没する日々。

そんな生活の中で、ただ一つのわたしの慰めが、
アメリカのテレビドラマ、『奥さまは魔女』の再放送だった。
これを、ワイシャツのアイロン掛けをしながら観るのが唯一の楽しみ。
ドラマが終わる頃には、二枚のワイシャツが仕上がっている。

魔女の奥様サマンサと、人間の夫ダーリン。
二人の結婚生活に降り掛かる無理難題災難を面白おかしく描く、コメディだ。

土台が、人間と魔女だから、危うい関係。
その上、近所の物見高い主婦や姑。二人の結婚に反対の母親親戚たち、
ダーリンの上司、などなど、
騒動の種は後を絶たない……
しかしどんな難局も、愛するダーリンと娘のために、笑顔と知恵と時々魔法で切り抜ける、サマンサはまさに主婦の鏡。

わたしに言わせれば、これは
『奥様は機転のきく主婦+ときどき魔法』だ。
 

しかし、このドラマの映画バージョンは全く様子が違う。
それは、テレビドラマのアットホームな雰囲気と違い、恐ろしいストーリーなのだ。
その衝撃的な内容とは。

今を去ること数百年前、とある西欧の国。一人の魔女が火刑に処される。
密告したのはダーリンのご先祖。
そして現代に甦った魔女がダーリンの末裔に復讐をする……、という内容なのだ。
そして、復讐するつもりが、魔女が誤って惚れ薬を飲んでしまい、その日からダーリンにぞっこんに……後はテレビドラマと同じ。

無理矢理な展開だが、“薬を取り違える”というのは昔からある定番のストーリー。

そして

仇どうし愛せよ

“結婚”とは、遠からず……こんなものかもと思う。
二十五年目の9月の朝なのでした。


 
 
 
 今週のお題「わたしの自由研究」結婚とは?
皆さまの結婚観はいかがでしょうか?え?考えたこともない?余計なオセワだ?
そもそもしていない?
それはそれは…、
 
「How wise.」(Sherlock Holmes)