ookumanekoのブログ

言葉を味わう 文学の楽しみ

一日目  住宅の瓦礫撤去作業。

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一軒の家を十四名でということだったが、

実際に行ってみると、一軒ではなく、広い倉庫がくっ付いていた。

リーダーが、家と倉庫に、人員を二つに分ける。私は倉庫担当。

倉庫内は瓦礫の山に埋めつくされている。

これを七名で片付けなければならない。

この時は分からなかったが、人数が少なすぎる。倍の人員が必要だ。

瓦礫は、どれも、すぐに片付けられるように、素直に落っこちている訳ではない。

ふつうに取り除けるような状況ではない。

釘だらけの巨大な建材、ガラスのギザギザが生々しい窓枠、ねじ曲がった金属、木材。電化製品、コード類、産業用品。

腐った食品、生活用品。泥で何だか分からなくなった衣類。紙類、プラスチック製品。おもちゃ。

それらがメチャクチャにからみ合い、団子になって倉庫を埋め尽くしていた。

まずはそれを解き、運び出せるような代物にしなければならない。

男性メンバーの数人は、プロの解体業者。

バール1本で、垂れ下がりねじ曲がったシャッターをサクサク切り出した。

複雑に絡まり一体化した瓦礫を、力任せに叩き壊し、運べる程度に砕いていく。

私たちはそれをひたすらかき集め、猫に乗せ、瓦礫置き場へと運ぶ。

置き場は見る間に山になって行き、こんどは捨てる場所がどんどんなくなっていく。

しかしそうかといって、運んでも運んでも、倉庫の瓦礫は一向になくなる気配がない。

悪夢のように、延々とその作業が続く。

午後になって、ようやく床が少し顔を出した。

皆が一様に。

「床が見えた!」

と喜びの声を上げた。