ookumanekoのブログ

言葉を味わう 文学の楽しみ

セロ弾きのゴーシュ

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おいらはセロ弾き、しがない楽士。

 

 

今日も今日とて動かぬ指が

 

 

弦の上もたもたと歩く。

 

 

楽長に怒られ、仲間にゃにらまれ。

 

 

赤ん坊のスプーンしごと

 

 

一朝一夕にいくものか。

 

 

トオテテ テテテイ

 

 

つまりこういうことかな?

 

 

あいつら毎晩手を替え品を替え、

 

 

おいらのジャマをしにやって来た。

 

 

音楽なんて分かりはしない。

 

 

楽譜だって読めるものか。

 

 

けんけんがくがく、騒々しい。

 

 

おいらは、すっかり気が動転し、

 

 

ギコギコ ゴーゴー、弦が鳴る。

 

 

すったもんだのあげくの果て、

 

 

あら不思議。

 

 

おいらの指が魔法のごとく

 

 

弦をすべるようになったってワケさ。

 

 

 

めでたしめでたし。

 

 

 

 

 

 

 

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