ookumanekoのブログ

言葉を味わう 文学の楽しみ

映画『ルージュの手紙』

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頑固に自分の生き方を貫いている、シングルマザーの主人公(フロ)。
助産婦の仕事は彼女の生活の糧であり、生き甲斐でもある。
一人息子は母の希望通り、外科医を目指し医学部に通う。
堅実な生活を、絵に描いたような日々。
しかし、「そうは問屋が卸さない!」
誰の人生にも、その時はやってくる。

産院が経営難で閉鎖、時を同じくして疎遠だった継母から連絡が入る。
一癖も二癖もある、かつて父を捨てた女。
更には愛息の進路変更と、ガールフレンドの妊娠を知らされる。
凝り固まっていた自分自身の生き様の、進路変更をも余儀なくされる。

(見るべくして観た映画)
映画は観るものがそう思った時、既に成功なんだと思う。



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ルージュの手紙」原題 sage femme(助産婦)

カトリーヌ・フロ 
オリヴィエ・グルメ

ドヌーヴの汚れ役が良いですね。
エルメスのバッグをむっちゃくちゃに扱い、お酒と男をこよなく愛する。
物に動じないが情けにゃ弱い、憎めないオバちゃん。

フロも、等身大の中年女性って感じで自然な演技が好きです。
オリヴィエ・グルメ。(『息子』という映画の大工役が良かった)
演技派で脇を固めましたね。話に奥行きと現実味が増します。

当たり!良い映画でした。