ookumanekoのブログ

言葉を味わう 文学の楽しみ

聲曲(もののね)

われはきく、よもすがら、わが胸の上(うへ)に、君眠る時、
吾は聽く、夜の靜寂(しづけき)に、

滴(したゝり)の落つるを將(はた)、落つるを。
常にかつ近み、かつ遠み、絶間(たえま)なく落つるをきく、
夜もすがら、君眠る時、君眠る時、われひとりして。




『聲曲』(もののね)ガブリエレ・ダンヌンチオ   上田敏





 
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