ookumanekoのブログ

言葉を味わう 文学の楽しみ

坂の途中の木の音楽堂に行ってきました。

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何ヶ月ぶりの外出らしい外出です。

吊るしっぱなしの洋服を引っ掛け、バッグの埃を払いいざ出陣。

しかしあいにくの土砂降り。
ジーンズは水を吸って冷たく重くまとわりつく。
カジュアルシックにとの思いが裏目に出た。
おまけに冷風を吸いこんで咳が止まらなくなってきた、マズい!

そんなわたしの不慣れな状況と相反し、周囲では華やかに着飾り談笑する人々。

行きに道を聞きご一緒したご婦人は、声楽をされているそうで御歳80歳。
観客に高齢者が多い。タクシーで次々と乗り付けて来る。
館内のバリアフリー化は今ひとつだが、こういう余裕のある世代が、
こういった芸術活動を支えているのだろう。

そんな中、ついに登場した彼女。
わたしの雑念など吹き飛ばす存在感。    

大柄で鷹揚な身のこなし。
簡素な衣装。
(指揮者である彼女は、この日は黒のチャイナ服とチャイナシューズの指揮者スタイル。
着飾る必要などないのだ!このレベルの人は!!)
そして芸術神を体現したような、豊かな声量で繰り出される歌曲の数々。

アンコール3曲を含め2時間。音楽の女神と一体となり、
改めてシューベルトにも思いを馳せた、至福の時間でした。




シューベルトの歌曲は、シェイクスピアゲーテ、ハイネなど、素晴らしい詩に曲を付けたいという欲求と、友人たちを自分の楽曲で喜ばせたいという、無欲な友情がその原点であった。 プログラムより




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シューベルト『君こそわが憩い』リハーサル風景