ookumanekoのブログ

言葉を味わう 文学の楽しみ

架空の街 香港マニアック熱 番外編

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架空の町を私は歩いている。
いつものことだ。
夢で見るのだ。
明け方によく見る、妙に現実的な、ウソの夢。

それはゴチャゴチャとした商業地区。
そこにはあやしげな店が、小さな路地の奥の奥まで、どこまでも際限なく詰め込まれている。
正規品の型落ちや、訳あり品を無造作に積み上げた露店。
何の加工品だか、判別のつかない奇妙な食品群。
見たこともない菓子類。

それらに目を奪われながら、狭い路地をゆっくりと進む。


私には目的がある。
ある店を探しているのだ。
しかし、いくら歩き回っても、一向に見つからない。
いや、見つかったためしがない。
結果、私は、架空の町の架空の路地を
明け方までさまようことになる。