ookumanekoのブログ

言葉を味わう 文学の楽しみ

さかりのさくらの

きょうを みずして 今日明日は、当地の桜も見ごろを向かえる。 ふだん花を愛でる余裕のない心も この日ばかりは 宗旨替えし 自然の慈悲を素直に感受したいものだ。 (photo by 工藤隆蔵)

おそ咲きの

あたたかい水 さす きょう ここのかに 寒の戻りで躊躇する花びらに なまあたたかい雨が打つ。 『目覚めてはやく世を喜ばせよ』 と促す。

またたきに

さきちりゆきて あ・うんごと 桜の花の生き様には起承転結を感じる。 誰しもそうだと思う。 咲き始めのうぶな様子。 五分咲きの若々しさ。 8分咲きのおごり高ぶり。 満開の狂い咲き。 あれよあれよという間に散り去っていく晩年。 毎年繰り返されるこの植物…

なごり雪

水をまとって 重たげに ぼたぼたと。 車道が吸いこむ ぬれ景色。 時ならぬ 執着の心。 花芯も凍り 悔恨する。 ( 数日前のみぞれ雪、名残り雪を詠みました。 photo by 工藤隆蔵 )

ひなよひな

ひなのおでこは若秩父 みんながそこで雨宿り ひなのほっぺはお多福さん あられをほおばり破裂する ひなのお鼻はなぜひくい きっとネズミにかじられた

母の髪を愛しげに

なんども撫でる 夢をみて 跳び起きる。 (photo by Bo47)

雨の日にとぼとぼと

出かけゆくわたし。。。 いいかんじ。。 (photo by sabamiso)

微熱

ここにあるものはここにしかなくて しかも次に来たときにあるとはかぎらない たいがいの場合九分九厘なくて そして新たに目にするのは 予測していた絶望と 予期するひまも追いつかない 突然に襲いくる 以前にも増した欲望 そして焦燥 photo by ame0399

真円を乞う詩

ラベンダーの薄闇の 暮れゆく空に 一つだけ。 ゆがんだ真珠 置きわすれ。 真円を乞い こぼれ落つ。 涙一つの 自己主張。 今夜の月は小さく控えめ。 (月の連詩 photo by rachel_thecat)

ピエタ

お帰りなさい わたしの子 美しき骸よ あのこころざし高き蒼き瞳は 今は堅く閉ざされたまま 高潔な音楽の調べは 奏でる口をもはや持たないのか わたしの涙でその汚れを洗い清めよう わたしの痛みでお前を癒そう 永遠の暫くの間に ( Pieta-michelangelo )

この至の日に 月の女王は機嫌が悪い 蝕みを嫌い。謁見を厭う 太鼓を鳴らし威嚇する 水を打ち、下々を悩ませる 一夜限りの蝕みでございます 千人の針子を雇いましょう 国中から蚕を集め、金の糸を吐かせましょう 銀の糸を吐かせましょう 朝までに、まばゆいド…

昨夜女王は辱められ。 またお隠れかと思いきや。 今夜は生来のプライドを取り戻し 夜空に威厳をとどろかせている。 光の刃は鍛え直され。 容赦も慈愛もなく 闇を切り裂きまぶしいばかり。 気高く無慈悲な氷の刃。 ひとめで私の目は潰れ。 心臓は自ら進んで貫…

月がこっちを見てる

分厚いはい色の雲間から。 また今も。 チラ見している。 さっきからずっと。 ワタシのことが気になるの? 一晩中そこで見ているつもり? 闇の雲を溶かす。 月の女神はウワサ好き。 (月の連詩一photo by Pannonius Rex)

よによきことをなせ

つらい時こそそうせよ、と、 誰かに言われているような気がします。

オレンジ色の中央線。 車内から見える景色。 家、ビル、いえ。 あんまりオモシロくない。 でも人ん家の窓は。 覗くのが大好きだった。 全部捉えてやろうと目を凝らした。 時速何キロで走っていても不思議と。 その時だけ徐行しているみたいにゆっくりに見え…

Morning has broken

朝が明け染める まるで、初めてこの世界にもたらされた朝のように 黒歌鳥がさえずる まるで最初の創造物であるかのように 畏敬の念を覚えよ その歌に 比類なき朝に 命の躍動に 世界がまた新しく生まれ変わる Morning has broken Like the first morning Blac…