ookumanekoのブログ

言葉を味わう 文学の楽しみ

2017-12-04から1日間の記事一覧

佐藤春夫『冬の日の幻想』

Lamorgans 霜ぐもる十二月の空は 干ものやくにほひにむせび 豆腐やのちゃるめら聞けば 火を吹いておこすこの男の目に ふと どこかの 見たこともない田舎町の場末の 古道具屋の四十女房がその孕(はら)みすがたで 釣ランプをともすのだ かかるゆふべの積み累…