工藤隆蔵 僕はコンクリイトの建物の並んだ丸の内の裏通りを歩いてゐた。 すると何かにほひを感じた。何か、?――ではない。 野菜サラドの匂いである。 僕はあたりを見まはした。が、アスフアルトの往来には五味箱一つ見えなかつた。 それは又如何にも春の夜ら…
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