ookumanekoのブログ

言葉を味わう 文学の楽しみ

2017-02-10から1日間の記事一覧

『雪の日』永井荷風

Masaki Tokutomi 曇つて風もないのに、寒さは富士おろしの烈しく吹きあれる日よりも猶更身にしみ、火燵にあたつてゐながらも、下腹がしく/\痛むといふやうな日が、一日も二日もつゞくと、きまつてその日の夕方近くから、待設けてゐた小雪が、目にもつかず…