ookumanekoのブログ

言葉を味わう 文学の楽しみ

夏目漱石『道草』

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Ines Njers




『離れればいくら親しくってもそれぎりになる代りに、



一所にいさえすれば、たとい敵(かたき)同志でも


どうにかこうにかなるものだ


つまりそれが人間なんだろう』




健三は立派な哲理でも考え出したように首を捻った。







洋行後、自分を金持ちだと勘違いした親戚郎等から
金の無心を受け続ける主人公。


実際は余裕のない生活。しかし
義理を欠くわけにはいかず財布を開く。


『善人ならば金など何でもないのだ』


先の人間の下品さ、狡猾さにおもわず愚痴を漏らす。








今日は節分。

漱石風に言えば、身近にいる鬼と対峙する日でしょうか?