美しく老いる企み
走るように歩いて来た。
風景なんて見やしない。
身体を気づかうこともない。
いろんな物を見逃して、
疲れて、イライラして、
そして、身体をぶち壊した。
だから。
ここらでゆっくりと、歩いてみるよ。
赤子の歩み。
生まれて初めて、足の裏が大地を踏みしめた時のように。
感触を楽しむように。
愛しむように空気を吸うよ。
ありがとうって大きく吐くよ。
( photo by 工藤隆蔵 さん )