ookumanekoのブログ

言葉を味わう 文学の楽しみ

できない親

「これ書いて。」

「そこ置いといて。」

「さっきも言った。今すぐ書いて。」

仕方なく見る。
げ、書くとこいっぱいある。
修学旅行の承諾書で、本人の氏名住所電話番号携帯番号既往症医薬品アレルギー食品アレルギー常備薬血液型保健証の記号番号生活の注意点他。親の住所氏名連絡先、緊急事の連絡用携帯番号、そして捺印。
シャチハタじゃないハンコ‥、探さないとない。
朱肉もここ数ヶ月見ていない。

「明日やる。」

「だめ。明日提出だから、今日のうちにカバンに入れておきたいの。」

「明日の朝書くってば。」

自覚の薄い母を信用できず
更に自覚の薄いねこじ(夫ですが)のところに持って行く。
TOKYO MXをガン見していたねこじ。

憩いのひとときに、こんな現実的な書類を突きつけられ、青天の霹靂。
とりあえず、親であることを思い出し、
しかたなく取りかかるが、

「メンドくせー!」

ねこじは悪筆のためこういうことが苦手。
めずらしく滅入った顔つきになる。
そう。
親ってやりきれない。
今ごろ分かったの?