ookumanekoのブログ

言葉を味わう 文学の楽しみ

岩手県某所 瓦礫撤去 ニ

大きなイカダが、田んぼの真ん中に乗り上げている。



太い丸太が黒い綱で幾本も繋がれ、



そこに無数の貝殻が絡まる。



遠く湾を臨む時、小さく見える養殖筏も、



こうして見ると、何とも巨大だ。



とうとう何人がかりでも動かすことが出来なかった。



腐敗し、半分溶けた魚が異臭を放つ。



筏に隠れていた住人だろうか?



匂いにつられてか、たくさんのカモメが田んぼの上を飛ぶ。



海抜が下がり、海と勘違いしているのかもしれない。



鳶もさっきから何かを狙って頭上を滑空している。



餌を失って飢えているのだろうか、



ためらいなく人間を襲う。