ookumanekoのブログ

言葉を味わう 文学の楽しみ

バックパッカーと首の皮一枚の私たち 十二

喧噪と煩悩の街バンコク(グロ注意つづき)


わたしたちは彼らを
「金ちゃん」
と親しみと敬意を込めて呼び

異国での短い旅の友とした。

というのも

彼らの存在感はハンパないのだ。

丸い大きな頭は、黒光りしていてご立派である。

人がいようがいまいが、のっしのっし(たくさんの足で……、言うな)歩いている。

タイ人も動じない。

後で知ったのだが、タイは仏教国。

殺生は御法度だ。

バンコクの大都会に暮らす無数の野良犬たちも、
実は駆除を免れている。
一応、捕まえて、去勢し、狂犬病の予防接種をして、
また、同じ場所に放されるらしい。

喜捨が当たり前の仏教国では、
誰かが必ず餌をやる。虐待はない。

世界一幸せな野良犬なのだ。※

そういうわけで、金ちゃんに手を出すタイ人はいない。


今日もきょうとて

大都会の一等地。
インターコンチネンタルホテルバンコクの中庭を

一族総出でお散歩。

うぶな旅行者たちをビックリさせているのであった。



※ 日本の野良犬と比べてという意味。

これがほんとうに幸せかどうかは誰にもわからない。


(金ちゃんが何か知りたい人は
『大ヤ○デ』で画像検索……だけはしないでね。W)