ookumanekoのブログ

言葉を味わう 文学の楽しみ

姉と和解 母娘ワク珍道中 2

神の前で喜劇を演じる


電話では元気そうに見える。
はっきり喋るし、いちおう辻褄は合ってるし。
もしかしたら、自分で自分の健康を楽観してるせいなのかもしれない。

 


さて、母娘ワク珍道中のつづき。
ようやく病院までやって来ました。

出来たばかりの綺麗なデザイナーズっぽい病院です。
隙なし。笑
入り口の手指消毒用のスプレーボトルも、まあオシャレで。
小さな可愛いインテリアのような壷にはいって、台に置かれています。
センサー式です。

それを母が思いっきり上から叩いて、
バ〜ン!
床に落とし、中身をブッこぼしました。
開院すぐで満タンの消毒液が足元に溢れます。
さらに衝撃で、台座のキャップ2個が吹っ飛んで、
綺麗にチョコンと同じ方向に並んでいるではありませんか?

 

さすがにこのネタは出来すぎている。
誰かが高みから見て笑っている。

そんな妄想も一瞬のこと、
あわてて何とか拾って元に戻す娘。
幸い割れることはなかったものの、冷や汗ものです。

「受け付けの人さ言わねばなんね」
(ブッこぼしましたことを、報告しなければ)
と言っている母を
「ダマって!」と身振り手振りで制し、
何食わぬ顔で受付を済ませます。

入り口の騒ぎが聞こえただろうが、気付かぬふりをして、
忙しそうに立ち働いているスタッフたち。
本当に申し訳ありません。
目を合わせないようにする娘。

そうこうするうち、順番が来ました。
冬キャベツのように、何枚も重ね着してきた母。
初めて見る若い医師の前で、アタフタ肩を出させます。
細くなった腕が出ました。

ブスリッ!

「痛ーい!」

病院中に響く大声を出す母。

だれか助けて。

 

後日、
母の様々なおかしな行動(ここには書けない)を検索しました。
やはり認知症の症状であることが分かり、
姉に伝えました。
姉もショックを隠せない様子。

ワクチンの2回目が終わったら、また今度は母を説得して
認知症外来を受診させようと思います。
スムーズに行けば。笑

 

 

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