ookumanekoのブログ

言葉を味わう 文学の楽しみ

『オリエント急行殺人事件』今ごろレビュー

お題「ゆっくり見たい映画」

 

 

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枕が良かった。
(まくら:物語の導入部、落語ではこう呼ぶ。
物語の本編から受けたインスピレーションで、自由に創作される。ほぼ二次創作。
談志は40分間も枕をやった)

 

 

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ジョニー・デップの演技が上手かった。
この役で(たぶん線が細いことを克服するために)10kg太ったとか?
(確かにふてぶてしくみえる)
ジャック・スパロウとか、シザーハンズとか、演技どうこういう以前の映画しか知らなかったので、驚きました。

そして
オリエント急行という豪華列車のゴージャスな演出!
それだけで物語が描ける。
映画が撮れる!笑

よく出来ている映画だと思う。


原作はアガサ・クリスティの『オリエント急行の殺人』

 

 

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この小説は、実際にあったアメリカの誘拐事件をモデルにしていて、
当時は大変にショッキングな悲劇的なニュースとして、
海の向こうの女流作家に影響を与え、この小説を書かせたんでしょうね。

 

 

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リンドバーグ事件

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ただ現在では、その誘拐事件自体が、作り物だったのではという説もあるそうです。

 


事件の真相に興味のある方は(それを匂わせる)アガサ・クリスティの別作品。
『ジョニー・ウェイバリー誘拐事件』
を合わせてご覧になってみては如何でしょうか?

オリエント急行の殺人』の10数年後に書かれた物語です。

 

 


archive.org

 

 

 

 

 

『マクベス』と二次創作

お題「好きなシリーズもの」

 

闇が極まる冬至から、救世主降誕
そして新しい年の幕開け

この一連の季節の流れにふさわしい物語を、

探してみました。

マクベス』はどうでしょうか?


〈あらすじ〉
戦勝にわく、とある欧州の国。
王と家臣たちが祝宴を開いています。
とりわけ賞賛されるのが、忠誠心と勇猛果敢さで

勝利に貢献した軍人マクベスです。

 

 

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マクベスは三人の魔女から王になると予言される

 


ところがその夜、何を血迷ったか、
マクベスは、王の寝込みを襲い
殺してしまうのです。

その後、マクベスは王位につくも、

暴政と殺戮を繰り返します。

そして、謀反を犯した者の三日天下は続かず…。

 

 

 

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正気を失うマクベス夫人




とまあ、こんな話です。
結末は、

謀反人を追い詰める者が、マクベスを殺し、闇を追い去り、
新しい輝かしい王が誕生する。
やはり、この季節にピッタリするように思います。


 

books.google.co.jp

 

 


おまけ



マクベス』のストーリーを知ってから、
この有名なテレビドラマの名作をご覧になると、
なお面白いのではないでしょうか?

 

archive.org

 


ドラマの中の効果音

「ノック・ノック!」

ダンカン(殺された王)の亡霊がたてる物音。
マクベス夫妻は恐怖心と罪の意識に苛まれ、次第に精神崩壊していく。


本当に良くできたドラマです。

 

 

 

 

 

 

 

 

クリスマス・キャロル

お題「好きなシリーズもの」

 

ディズニー史上最強に怖い映画を貼りましょう。

 

 

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日本語字幕つき…ではありません。

 

どっこい、英語でもありません。笑

 

ので、無料です。

 

もう誰もが知っているストーリーだと思うのですが、

 

気になる方はこちらの原作をお読みになってからご覧ください。

 

 

 

www.aozora.gr.jp

 

 

 

メリー・クリスマス!

 

 

 

archive.org

 

 

 

おまけ

 

 

 

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クリスマス関連過去記事

 

 

 

ookumaneko127.hatenablog.com

 

 

 

ookumaneko127.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女が負けた日

お題「ゆっくり見たい映画」

 

こんな記事を見ました。

 

www.elle.com

 

 

この女優さんの言うことはもっともだと思います。
映画の世界に、独占禁止法ってのがあったら、
米映画界とメリル・ストリープ(M・S)はこれに抵触するんじゃないかとも思いました。

それにしても、彼女(M・S)が演技が最も上手い俳優の一人であることは、否めません。

こういう記事にされるのも、その証でしょう。

 

 

archive.org

『8月の家族たち』(英語)

メリル・ストリープの演技力を堪能するならこの映画

 

 

 

彼女の演技は本当に素晴らしい!

しかし…、

わたしは、彼女が演技力の点で、負けた映画を一本だけ

観たことがあります。

 

 

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The Hours めぐりあう時間たち

 

 

この映画は三人の女優の競演によるオムニバスで、
彼女は3番目でした。
3番目に上手く演じていて、
一番下手でした。
わたしがそう思っただけでなく、
一番上手い女優さんはアカデミー賞を手にしましたし、
2番目にうまい女優さんも素晴らしい演技でした。
なぜか彼女(M・S)だけが下手でした。

というのも、

彼女たちはLGBTの役どころ。
メリル・ストリープは、私的にはまるっきりのストレートで。
メソッド方式でも太刀打ちできない?
こういう役柄は苦手なんじゃないだろうか?
と思いました。

 

今まで(M・S)が出ている映画は数多く観ましたが、

彼女が負けたのを見たのは、これだけです。

 

まあ、だれにも苦手はあるものですね。。。

 

 

 

youtu.be

 

めぐりあう時間たち

 初めはこの女優がだれなのか分からなかった。笑

 

 

 

 

 

 

アガサ・クリスティの描くネメシス(復讐の女神)とは

お題「好きなシリーズもの」

 

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ミス・マープル『復讐の女神』


悪を嗅ぎつける非凡な嗅覚と
剃刀のように切れる頭脳、そして
正義を水のように流れさせる、道義心。

探偵を職業にしている訳ではない。
地位も名誉も既に興味の対象ではない。
ただ報酬として、
山鶉を一羽丸ごと頂くことを喜びとする。
イギリスの田舎に住む(ふつうの?)お婆さん。

現実にこういう人がいるのか?と言う疑問は置いといて。

幾つか面白いエピソードがあるので貼っておきます。


それにしても、

クリスティはこう言いたかったんじゃないでしょうか?


「一般市民の中にも、判事ほどの頭脳を持ち、

裁く者がいる」


クリスティの第一作が「そして誰もいなくなった
なだけに。


そう思えてなりません。

 

 

 

 

 

gyao.yahoo.co.jp

(日本語字幕  第一話無料配信中)

 

 

 

 

 

www.dailymotion.com

「書斎の死体」(日本語字幕)

 

 

 

 

 

 

www.dailymotion.com

「復讐の女神 」(日本語字幕)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『メグレとパリの通り魔』

お題「好きなシリーズもの」

 

 

 

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閉塞的で変化の乏しい職場環境。

単調な仕事、無意味に見える作業。

それでも社会のためになる…かもしれない。


クリスマスのパリ。雨氷が窓を凍らせる。

電話交換台に詰め、黙々と働く三人の男。

夜勤明けはもうすぐだ。


三人の男の一人。

とりわけ地味で、独身のルクールは、今日も仲間に交代を頼まれ、

休憩もそこそこに再び勤務につかねばならない。

点滅する豆電球を見ながら。

閉塞的で変化の乏しい職場環境。

単調な仕事、無意味に見える作業…。

 

しかし、そこに思いもかけない展開が。

 

彼の何気ないいつもの行動が、未解決事件に光を当て、

一躍刻の人になろうとは!


いや〜、良かった。


ジョルジュ・シムノンが、メグレ警視シリーズが大好きになったこの一作。

凍った心が暖かくなる作品です。

 

 

 

 

 

 

病院坂の首縊りの家

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お題「ゆっくり見たい映画」

 

朝晩に、ほんの少し気温の低下を感じられるようになりました。
皆さまには、寝冷えなどされておりませんでしょうか?


さてこの暑苦しい夏にぴったりの、
ホラー仕立てのミステリー映画を
観まくっていたわたくしです。

犬神家の一族』に始まって、
八つ墓村
『獄門島
悪魔の手毬唄
悪魔が来たりて笛を吹く
そして
病院坂の首縊りの家

などなど…。

しかし原作を読んだのは
わずかに二本。

犬神家の一族』と
病院坂の首縊りの家』(以下、『病院坂』)
のみです。

わけても『病院坂』は、若い時に読みまして、衝撃を受けたわけです。
その時感じたんですよね。
この作家(横溝正史)は、奇怪な事件を扱ってはいるが、
そこに至る物語を、淀みなく理論的に描くことができると。

そこで映画『病院坂』です。

あれっ?原作と違うじゃありませんか?
一番のエッセンスのところをチョンぎったー?!

 


〈以下 ネタバレ+R18+気分の悪くなる表現を含みます。自己責任でご覧ください〉

 


映画では、
首を切断され、病院の廃墟に吊るされた男、敏男と、
無理やり婚礼写真を撮られた大病院の娘、由香利。
二人の死因を、きちんと語っていませんでした。

 

原作ではこうです。

敏男はしがないバンドマン。
愛する女(小雪)と所帯を持とうにも先立つものがありません。
そこに目をつけた由香利。(邪悪な女)
結婚写真の仕返しに、敏男を金で買ったのでした。
由香利が敏男に要求したのはSMプレイ。
その過程で、由香利は憎い敏男を殺そうとします。
拷問され瀕死の敏男は、腿で由香利の首を絞め、
殺害するに至ります。自身も虫の息の中で、
小雪に自分の首を切り落とすことを命じるのでした。


奇怪でおぞましい事件に隠された真実。
こういう処を端折るから、つまらなくなる。
あくまでわたしの感想ですけどね。笑

 

 

 

 

 

 

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